ではなぜ、はやまったのか。二つの相異なる報道がある。一つは、麻生太郎主導説。
9月6日の「FLASH」は、無派閥の自民党議員の以下のような発言を伝えた。
「安倍さんが亡くなった直後は、内閣と自民党の合同葬を開く方向で話が進んでいました。それを巻き戻したのが麻生太郎副総裁で、“保守派が騒ぎだすから”と、岸田さんに3回も電話をしたそうです。最後は『これは理屈じゃねんだよ』と、強い口調だったといいます。国葬実施の方針が決まったのは、7月14日の会見の1時間前でした」
もう一つは、以下の岸田首相即決説だ。
「国葬は麻生さんが言いだしたことだと一部メディアが書いているが、そうじゃない。安倍元首相が亡くなったと聞いたその瞬間、俺が、国葬と決めた。…浅慮だった」岸田首相は、議員仲間や新聞記者に対し、はっきりそう言った。(9月10日FRIDAY)
麻生氏がうるさく言うから渋々ながら国葬にしたのか、そうではなくて、岸田首相が真っ先に決めたのか。情報をリークした人物の意図はともかく、前者なら、岸田首相の“聞く力”とやらが裏目に出たということになろうし、後者だと、岸田首相の軽薄さが浮き彫りにされる。
いずれにせよ、岸田首相に信念がないことは明らかだ。国民の信用をとり戻すには、統一教会に対して断固とした姿勢を示し、深い関係を続けてきた自民党所属議員に離党を促して、教会依存から脱却すべきである。
それで初めて「今後、旧統一教会及び関連団体とは一切関係を持たない」という党の方針が信ぴょう性を帯びるだろう。
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