なぜ香川照之は許されてしまうのか?セクハラに甘すぎる日本芸能界の闇

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違約金「5億円」は本当か?

香川の銀座のクラブでの性加害疑惑が報じられたに後、CMや番組の打ち切り・降板が相次いだ。

このようななか、「違約金が5億円にのぼる」という報道もあった。しかし、実際には、日本における広告出演契約には、たとえばアメリカのような長い契約書に記載されてあるように損害額をどのように計算するかについて明記されていないという(*1)。

「打ち切りは各社の判断ではあるものの、原因が香川さんサイドにあることは明らかですから、契約期間中の残りの日数に応じて、契約金を返金するという流れになるかと思われます。

たとえば、契約期間があと半年残っていたとして、契約金6,000万円ならば、半分の3,000万円を返すということになります。

なので厳密にいえば、この3,000万円というのは、違約金でも損害賠償でもなく単純に契約金の返還と法律的には言えます。」芸能問題にくわしい河西邦剛弁護士(*2)

タレントの不祥事が起きるたびに、違約金◯億円越えか!」というニュースが駆けめぐるが、実際にはそのような金額はありえないようだ。

CM=本業 テレビ・ドラマ出演=副業という日本の芸能界の現実

日本ではたとえば同じ時期に何本ものCMに出演する女優や女性タレントのことをさして、「CMクイーン」とか「CM女王」というような言い方がなされる。

何社と契約しているか、CM契約額はいくらか、どのくらいの頻度でテレビCMや紙媒体の広告でそのタレント・女優の顔を見かけるかが、日本における芸能界の“人気”のバロメーターとなっている。

ところは、ショウビジネスの本場であるアメリカには「CMクイーン」という言葉は存在しない。つまりは、CM出演本数はアメリカでの人気の尺度にはなりえないのだ。

アメリカにおけるショウビジネスは、俳優のカテゴリ(住み分け)が明確に区別されている。映画俳優/テレビ俳優/舞台俳優/CM俳優/広告モデルといった具合に、それぞれの領域ははっきりと区別されている。

理由は、彼らはまずもって“アーティスト”であること。そして、当たり前だが、特定企業の商品を宣伝するために生きているのではないためだ。

そもそも、今回の香川スキャンダルでも明らかなように、“なんでもかんでも”メディアに露出することは明らかにリスクがある。

さらにいえば、日本の芸能人の場合、番組出演料やドラマ出演料よりCM契約金のほうが明らかに高い場合も。

つまりは、彼らの本業は所詮CM出演であり、番組・ドラマ出演は副業であるという現実がそこにはある。

(*1)弁護士ドットコムニュース「香川照之さんの違約金「5億円」はありえない? 性加害疑惑の報道でCM打ち切り相次ぐ」Yahoo!ニュース 2022年9月5日

(*2)弁護士ドットコムニュース、2022年9月5日

(『モリの新しい社会をデザインする ニュースレター(有料版)』2022年9月11日号より一部抜粋・文中一部敬称略)

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