朝日新聞元校閲センター長が教える「自分だけにしか書けない文章」を書く方法

 

まず簡単な文で感情をたたきつけよう

僕たちはそれが、そう簡単にできません。だから、最初は感情をぶつけるような文章からでもいいのです。

  • 旅行に行ってリフレッシュした。
  • 店員の態度がひどすぎて腹がたった。
  • 久々に映画を見て、感動した。

こんな一文からまず書き始めればいい。これは、一つの結論であったりテーマであったりします。友達に話をするときも、こうした結論から話すのではないでしょうか。

文章で表現するなら、

  • どこに旅行に行って、どういうことをしてリフレッシュしたのか。
  • どんな店で、店員のどんな態度に腹をたてたのか。
  • どこで何の映画を見て、何に感動したのか。

そんなことを少しずつ書き足していけば、伝えたい内容の輪郭が書けてくるはずです。

書いていくと、自然にその時の状況を思い浮かべます。すると、自分のことを少し離れたところから見ているような感覚になります。これが、客観的に自分を見ることにつながります。

伝える内容を書いていくと客観性が生まれる

すると、楽しさ、いらだち、感動などの「感情の波動」が、主観から客観に移行していきます。自らを俯瞰した形で「感情の波動」が描けたときに、「その人にしか書けない」ものになります。直接的な感情の発露としての表現から、感情そのものがどうして生まれたのかが表現できるようになります。

これが、書くときの視点にもなります。「何をどう書くのか」は、「何をどう思ったのか」という切り口によって、変わってきます。その視点を自在にコントロールできるようになれば、書くことはさほど怖いことではなくなります。

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未來交創株式会社代表取締役/文筆家 朝日新聞 元校閲センター長・用語幹事 早稲田大学卒業、事業構想大学院大学修了 十数年にわたり、漢字や日本語に関するコラム「漢字んな話」「漢話字典」「ことばのたまゆら」を始め、時代を映すことばエッセイ「あのとき」を朝日新聞に連載。2019年に未來交創を立ち上げ、ビジネスの在り方を文章・ことばから見る新たなコンサルティングを展開。大学のキャリアセミナー、企業・自治体の広報研修に多数出講、テレビ・ラジオ・雑誌などメディアにも登場している。 《著書》 『マジ文章書けないんだけど』(21年4月現在9.4万部、大和書房)、『きっちり!恥ずかしくない!文章が書ける』(すばる舎/朝日文庫)、『漢字んな話』(三省堂)など多数。

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