日本の伝統的なお菓子である和菓子。しかし、売上は右肩下がり、人気も停滞しているようです。その理由のひとつは伝統を守りすぎて現代に見合わなくなってきてしまっていること。そこに現れた新しい芽を、メルマガ『繁盛戦略企画塾・『心のマーケティング』講座』の中で、繁盛戦略コンサルタントの佐藤きよあきさんが紹介しています。
和菓子の大転換期!伝統か?ネオ和菓子か?
いま、和菓子業界の売り上げが下降線をたどっています。
スイーツブームの中にあっても、和菓子の人気は停滞しています。
あるアンケートでは、8割の人が「和菓子が好き」と答えているにも関わらず、あまり売れない状況が続いているのです。
この不思議な現象は、好きな和菓子の種類が関係しているものと推察されます。
好きな和菓子を聞かれた時に持つイメージとしては、「たい焼き」「今川焼き」「大福」「どら焼き」「カステラ」「おはぎ・ぼたもち」「団子」「煎餅」などが出てきます。
すなわち、身近にあって、手軽に買えて、気楽に食べられるもの。これらを和菓子の代表として、捉えているのです。
しかし、和菓子業界全体としては、これらはほんの一部で、伝統的な製法で作られる、「豆」「餡」「米」「砂糖」「葛」などを使った菓子が、和菓子の主たる商品なのです。
こうしたものが売れにくくなっているので、業界としては下降線ということになります。
では、なぜ売れないのでしょうか。
まずは、格式の高さ。敷居が高いのです。店舗の高級感や価格の高さが、抵抗感を生んでいます。
次に、社会の習慣。贈答品や社用需要の低迷が顕著です。
そして、スイーツの流行。和菓子もスイーツなのですが、消費者は、洋菓子こそがスイーツであるかのようなイメージを持ってしまっているのです。実際に流行したものが、洋菓子ばかりだからです。
また、旧来の和菓子は、砂糖の甘さが強調されたものが目立ち、見ためは違っても、味の方向性は同じものばかりです。なので、目まぐるしく移り変わる、スイーツ市場の流れに乗ることができなかったのです。
伝統を頑なに守るがために、世の中の流れに取り残されたのです。