またニューヨーク入りしたばかりの王毅は19日、米中関係全国委員会(NCUSCR)、米中ビジネス協議会(USCBC)、米国商工会議所(USCC)の代表的メンバーと懇談会を行い、「5つ確定」にも言及している。
懇談では王毅自身、現在の米中関係を「国交樹立以来の冷え込み」であり、「『新冷戦』に突入することを懸念する声が少なくない」と認めている。その上で、以下のように5つの点を挙げて対米関係が将来に亘り変わらないことを強調した。
- 中国自身の発展という見通しの確定
- 中国の改革開放への決意の確定
- 中国の対米政策の確定
- 中米間の経済・貿易協力の強化の確定
- 米側との多国間協調の確定
あらためて解説など必要のない内容だが、3.と4.については補足がある。
まず3.では、「中米両国の制度は異なるが、これは両国の国民が選択するものだ。中米はどちらも相手に取って代わることはできず、どちらも相手を打倒することはできない。習近平国家主席は中米間の『相互尊重、平和共存、協力・ウィンウィン』という三原則を打ち出し、バイデン大統領は『四不一無意』(「米国は新冷戦を求めず、中国の体制転換を求めず、同盟関係を強化して中国に対抗することを求めず、台湾独立を支持せず、中国と衝突を起こす意図を有しない」)を繰り返し強調した」点が強調されたことだ。
そして4.は、「中米が協力すれば、両国及び世界に寄与する重要な事を多く成し遂げることができるということは、歴史がすでに証明しているし、今後も証明していく。このためには、中米関係の政治的な基礎をしっかりと維持すること、特に『一つの中国』原則をしっかりと厳守することが必須だ」との呼びかけだ。
少なからず中国が米中関係を改善へと向かわせたいという意図が見えてくる。
だが、一方で中国のバイデン政権への不信感は、そう簡単には拭えない――
(『富坂聰の「目からうろこの中国解説」』2022年9月27日号より一部抜粋、続きはご登録の上お楽しみください。初月無料です)
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