小林よしのり氏が総括。安倍「個人崇拝」国葬で日本が世界に晒した恥

 

しかも、そこに統一協会の動員がかかっていないわけがない。

安倍晋三は統一協会とズブズブの関係で、それゆえに統一協会を憎む若者に殺されたのだから、統一協会が献花に動員をかけないはずがないということくらい、誰だって考えるだろう。

だから、本心から国葬に行きたいと思っていた人は、実際にはものすごく少なかったということになる。

ところが『羽鳥慎一モーニングショー』までが、その映像を流して「すごい行列です!」などと興奮気味にミスリードしていたものだから、馬鹿じみていると思った。そんなに安倍が好きだったのだろうか?

そこでわしはブログにこう書いて、ネトウヨを挑発してやった。

「コミケなら1日10万人が集まるのに、国民の巨額の税金を使ってやった国葬が、たったの2万人か!」

「巨人戦なら東京ドームに4万人、集まるらしい。なのに国を挙げて交通規制して、大騒ぎでやった国葬がたったの2万人とはこれいかに?少ないな~~~~~~~~~」

するとこれがネットニュースで断片的に紹介され、それがSNSで拡散されて炎上した。反響は賛否が半々というところだったが、激昂して罵詈雑言をわめき散らすネトウヨの反応は、実に面白かった。

普段からネトウヨ連中には、自分たちが不当にマイナーな存在として扱われているという被害者意識があった。

そして、それは「マスゴミ」が「偏向報道」で事実をゆがめているせいで、本当は自分達こそ多数派であるはずだと妄信していたのだ。

そこであの「長蛇の列」の映像を見たものだから、ついに今まで表に出されなかった「サイレントマジョリティ」が可視化されたのだと錯覚し、ぬか喜びして舞い上がったわけだ。

ところがあいにくなことに、わしが「献花が2万人は、国葬にしては少なすぎる」という本当のことを書いてしまったために、幻想があっという間に打ち砕かれて、せっかく満足しかけたプライドがたちまちズタボロに傷つけられてしまい、逆上したのである。

積年の恨みをようやく晴らせたつもりでいたのに、ほんのつかの間の夢でしかなかったと知らされてお気の毒とは思うが、申し訳ないことにわしは嘘がつけない。真実しか言えないのだから、しょうがない。

2か月も前から「国葬」のニュースが連日報じられ続け、テレビなどが散々宣伝しまくっていたのに、参列したのがたったの2万人!

それだったら、国葬以外の葬儀でもっと多くの人が参列した例など、いくらでも挙げられる。

芸能関係者で最多なのは3年前に東京ドームで行われたジャニー喜多川の「お別れの会」で、一般参列者数は約8万8,000だったという。

国葬でも何でもない、民間の葬儀で8万8,000人!

一方の安倍晋三は「国葬」で、国費を投じて、国家の行事として、あれだけ大々的に煽って煽って煽りまくって、たったの2万人なのだ!

わざわざ「国葬」にしたせいで、実際には安倍の熱烈な支持者はそれほどおらず、反対する者も根強くいることが炙り出されてしまった。

こんなことなら、普通に自民党葬にしておけばよかったのに、かえって死んだ後になって安倍に恥をかかせる結果になってしまったのである。

しかもネトウヨはわしが煽ったせいか、人数にやたらとこだわって「反対派集会の方がずっと少ない!」と言い出し、ツイッターで「日本野鳥の会のカウントでは307人」などの偽情報を拡散、日本野鳥の会はそんなカウントなどしておらず、事実ではないとのコメントを発表するという珍事まで起こる有様だった。

この記事の著者・小林よしのりさんのメルマガ

購読はこちら

 

print
いま読まれてます

  • 小林よしのり氏が総括。安倍「個人崇拝」国葬で日本が世界に晒した恥
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け