日中国交正常化と同じ1972年に行われたニクソン大統領の訪中は、当時世界中の多くの人が注目する事柄でした。このニクソン訪中について、現在の中国ではどのように触れられているのでしょうか。中国出身で日本在住の作家として活動する黄文葦さんが、自身のメルマガ『黄文葦の日中楽話』の中でその現状を紹介しながら、中国とアメリカに関係する大きな「出来事」についても紹介しています。
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ニクソン訪中について、中国ではどのように扱われている?
Question
日中国交正常化と同じ年に行われたニクソン訪中について、中国ではどのように扱われているのでしょう?
黄文葦さんからの回答
70年代の中国では、ニクソン大統領の知名度はかなり高かったと思います。昔、うちの父がよく中国の海外ニュース新聞である「参考消息」でアメリカとニクソンのニュースをチェックしていました。当方は子供の頃に中米友好、中日友好の歌を覚えました。そのような時代は永遠に過ぎ去ってしまったのでしょう。
日中国交正常化と同じ年に行われたニクソン訪中について、現在、中国マスコミはあまり多く触れていないですが、一つアメリカに関連する出来事が大きく取り上げられました。それは、2022年9月19日、中国の王毅国務委員兼外相がニューヨークでキッシンジャー元米国務長官と会談したことです。
王毅は、キッシンジャー博士がまもなく100歳の誕生日を迎えることを祝福し、博士は中国人民の旧友であり、中米関係の確立と発展に歴史的な貢献をしてきたと伝えました。中国は、キッシンジャー博士が常に中国に友好的であること、中米関係に信頼を寄せていることを評価します。一刻も早く正しい米中関係に戻すために、博士にはこれからもユニークで重要な役割を担っていただきたいと述べました。
王毅は、今年はニクソン大統領の訪中と「上海連合公報」の発表から50周年であり、中国と米国は50年間の交流の有益な経験を真剣に総括すべきだと述べました。
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