あれから50年。米ニクソン大統領の訪中は中国でどう扱われているのか?

Washington, DC. USA. 1990
 

中国マスコミのコメントによると、「ニクソンの訪中により、中米両国は正式に外交関係を樹立し、機能不全に陥っていた中米関係に終止符を打った。中米両国が外交関係を樹立したことにより、アジア太平洋地域の安定と平和が維持され、アジア太平洋地域がより急速に発展するようになり、中米関係の発展とともに、両国は多くの分野で協力を始め、両国の発展を促進することになった」。

ニクソンの中国訪問を肯定的に評価する一方で、現在のアメリカ当局の中国に対する「敵対的な態度」を強く批判しています。「米国は自国の利益のために中国を繰り返し挑発し、中米関係の発展を損ねてきた。最近では、中国の警告にもかかわらず、米国議員が台湾地区を訪問したことまでになり、台湾海峡の状況が変化し、中米関係がますます緊迫している」。

中米関係がたいへん緊張しているときに、中国の外相がキッシンジャーに会って、どんなシグナルを発したのか、興味がないです。おそらく中国は中米関係をこのまま悪化させたくない、中国外相がキッシンジャーに会ったのは、中国がアメリカとの和解を望んでいるというシグナルを送るためでしょう。

一方では、中国は、口先では米国に厳しいですが、実際には米中関係をこのまま悪化させたくない、何しろ米国は世界で最も影響力のある国なのでしょう。キッシンジャーと懐旧談をすることは、アメリカとの和解を図ろうとする婉曲的な表現だと思われます。

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image by:mark reinstein / Shutterstock.com

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在日中国人作家。日中の大学でマスコミを専攻し、両国のマスコミに従事。十数年間マスコミの現場を経験した後、2009年から留学生教育に携わる仕事に従事。2015年日本のある学校法人の理事に就任。現在、教育・社会・文化領域の課題を中心に、関連のコラムを執筆中。2000年の来日以降、中国語と日本語の言語で執筆すること及び両国の「真実」を相手国に伝えることを模索している。

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