もう誰にも止められぬ「世界大戦」に突入か?米中首脳会談後に加速する「分断極まる国際情勢」の行方

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人間としての知性と理性により、これまでなんとか保たれてきた戦後の国際秩序。しかし近年、そのバランスが大きく揺らぎ始め、各国は「自分の身は自分で守る」方向へと舵を切らざるを得ない状況に置かれ始めています。今回のメルマガ『最後の調停官 島田久仁彦の「無敵の交渉・コミュニケーション術」』では元国連紛争調停官の島田久仁彦さんが、中東や欧州、アジアで進む「アメリカ離れ」と軍拡の加速について解説。その上で、多極化により混迷を深める国際社会の危うさを冷静に分析しています。
※本記事のタイトル・見出しはMAG2NEWS編集部によるものです/メルマガ原題:自分の身は自分で守らないといけない国際社会の現実と分裂極まる国際情勢

頼れる「親分」不在の世界。自分の身は自分で守らねばならない国際情勢の混沌

「みかじめ料」と聞かれて何をイメージするでしょうか?

詳しくは掘り下げませんが、裏社会のさまざまなやり取り・取引をイメージされる方が多いかと思います。そして用心棒代ともいわれる“みかじめ料”は、世界各地で横行している慣習でもあります。概して、決して良い慣習ではありませんが、今日はその話をするわけではありませんので、ご安心ください。

国際情勢のコンテクストで“みかじめ料”を見ると、どのようなお話しになるのか?ちょっと想像しながら、読み進めてみてください。

第2次世界大戦後に揺るぎない力を獲得したアメリカ。そして永遠の(冷戦の)ライバルであるソビエト連邦が崩壊した後は、まさに一強時代に入ったアメリカ。

その後、中国が予想以上の成長を遂げてパワーハウスの座に就き、ロシアが混乱を乗り越えて再び強国のステータスを回復しても、変わらないアメリカ一強の構図。

ソビエト連邦の勢力圏との対峙のために、アメリカによる庇護を必要とした欧州。そしてソ連亡きあとも、ロシアからの脅威に備えるためにアメリカの軍事力を頼りにする欧州。

ソビエト連邦・ロシアと中国、そして北朝鮮からの脅威に立ち向かうために、アメリカによる庇護を必要としてきた日本。

北朝鮮(そして中国・ロシア)からの軍事的な脅威に立ち向かうために、アメリカの庇護を必要とした韓国。

伸長する中国の脅威に対抗するためにアメリカの庇護を必要とした東南アジア諸国。

そして、イランからもたらされる脅威に立ち向かうためにアメリカの庇護を選んだアラブ諸国。

さらには、恐らくイスラエルも、自国および自国民の生存の確保のために、アメリカの“庇護”を必要としてきました(これには諸説あります)。

第2次世界大戦後、アメリカ合衆国は各大陸・地域において“民主主義”と“自由の尊重”を掲げる国々(その多くは同盟国)に庇護を与えてきました。

ただし、その庇護を買うために、各国はアメリカから武器を購入し、アメリカにとって有利な貿易システムを構築してそれに加わり、物流・金融などのあらゆる軍事・安全保障・経済活動の中心にアメリカを据える構造を受け入れてきました。

この構造下ではアメリカによる庇護・保護を与えてもらうために、各国はアメリカの心変わりやわがままも受け入れ、かつアメリカに利益を還流させてきたのが、“西側世界における”戦後の国際情勢の姿といえます。

それを支えてきたのが“対米みかじめ料”と言えると思います。

しかし、この“みかじめ料体制”がここ最近、全くと言っていいほど機能しなくなってきています。

その背後には対米追従(または盲従)を受け入れてきた各国がそれぞれに成長を遂げ、それにつれて国際社会における発言権を増し、かつグローバルサウスのように「中堅国・グローバルミドルパワーが緩やかな同盟・協調を通じて自立する力をつけてきた」という“国際情勢の現実”が存在することは間違いありません。

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