トランプ劇場も“終幕”か。米中間選挙で不発に終わった「赤い津波」

 

バイデンも早く再選を諦めないと

バイデン大統領はホッと一息というところだが、それに気を良くしたのか24年の再選挑戦への意欲を漏らしているのは錯乱的である。

トランプによる「赤い津波」を不発におわらせた主力は、1990年代半ば以降に生まれたいわゆる「Z世代」で、彼らがそう呼ばれるのは、生まれながらにデジタル・ネイティブの最初の世代であるからだが、それに加えて米国の場合は、中学から大学卒業前後までの青春時代を通じてオバマ政権が続いていて、人種・ジェンダー・LGBTQなど多様性重視、中絶の権利、銃規制、環境保護などのリベラルな価値観はごく自然に身についている人たちである。彼らがトランプの気候変動や中絶権への全否定に強く反発し、危機感を抱いて投票所に足を運んだのであり、その中には民主党の一角で若い世代に根強い支持を得ている左派のバーニー・サンダース上院議員の影響力も混じっている。ちなみに、フロリダ州で下院議員に当選したマクスウェル・フロストは銃規制運動の活動家で25歳。下院初のZ世代議員である。

24年に民主党が勝利を得るには、はっきり言って半呆けのバイデンでは全く望み薄で、今回行動に出たZ世代の若者たちに適合する候補を見つけ出して、上述ロン・デサンティスのようなタイプと争うのでなければお話にならない。

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