ロシアは、国際法違反の侵略国です。一方的にウクライナに侵攻し、文字通り「数えきれない」ほどの民間人を殺害してきました。本来であれば、プーチンと側近たち、軍幹部、国営マスコミ幹部は、ハーグの国際刑事裁判所で裁かれるべきでしょう。
しかし、この提案を受け入れれば、「ロシア支配者層は、捕まったり裁判にかけられたりすることはない」という意味なのでしょう。この部分が、ロシアの敗北によってすべてを失うことを恐れている支配者層には魅力的であると。
ですが、プーチンは、この提案をどう考えているのでしょうか?
ソロヴェイ氏は、「まだ不明」とのことです。
11月10日に受け取ったとすれば、リアクションがないのも理解できます。ソロヴェイ氏は、大規模なミサイル攻撃が再開されれば、それはプーチンが提案を受け入れていないということだとしています。
では、プーチンがこの提案を受け入れなければどうなるのでしょうか?
ソロヴェイ氏は、「ロシア軍が負ける可能性は高い」とのこと。
劣勢を挽回する方法は、「戦術核」の使用ですが。支配者層にとってお得な提案の後、プーチンが核の使用を指示しても、命令はブロックされる可能性が高いそうです。
プーチンの命令を軍が聞かなくなった。その時点で、プーチンは事実上、大統領、最高司令官ではなくなります。
詰んだプーチン
ソロヴェイ氏は、プーチンがどんな選択をしても、彼は終わっているといいます。
提案を受け入れたら?ソロヴェイ氏によると、プーチンは、体面を保ち、責任を他人に転嫁するために、退く必要がでてくる。プーチンではなく、他の人が、この屈辱的条約を調印する。
では、提案を受け入れなければ?戦争はつづき、プーチンは、敗戦の責任をとらされることになる。
というわけで、プーチンは、進むも地獄、退くも地獄状態。
繰り返しますが、この話、どのくらい信憑性があるのか、私にはわかりません。とはいえ、これも繰り返しになりますが、ソロヴェイ氏はこれまで数々の予測を当ててきたことで、ロシア・ウォッチャーから注目されている人物です。それで、皆さんにもシェアさせていただきました。
(無料メルマガ『ロシア政治経済ジャーナル』2022年11月12日号より一部抜粋)
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