野田元首相“お涙頂戴”演説に泣く山口二郎教授に辛口評論家が強烈な一言

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10月25日の衆議院本会議で立憲民主党の野田佳彦元首相が、安倍晋三元首相への追悼演説を行いました。この演説について国葬反対を強く訴えていた山口二郎法政大教授が絶賛したことを「知的な弱さ、頽廃が表れている」と痛烈に批判するのは、辛口評論家として知られる佐高信さん。今回のメルマガ『佐高信の筆刀両断』では、ベルウッドレコード50周年記念コンサートを訪れた話を枕に、山口氏の発言で思い出したと友部正人さんの『乾杯』を引用。野田氏の安っぽい言葉にまんまとハマってしまっては「大学教授の肩書が泣く」と厳しい言葉を浴びせています。

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お涙頂戴に泣く山口二郎法政大教授

11月11日夜、中野サンプラザでベルウッドレコード50周年記念コンサートが開かれた。あがた森魚、小室等、中川五郎といった面々が登場したが、そのレーベルの伝説のディレクター、三浦光紀が最後にあいさつした。

三浦は私の15歳からの親友である。しかし、三浦が反演歌で私が演歌のため、その方面の話はまったくしない。コンサートにも危うく招待されないところだった。

若くして、あるいは幼くしてベルウッドのファンだったという佐野史郎や森山直太朗も歌ったが、高田漣の父親の渡や加川亮、そして大滝詠一はこの世にもういない。

かつて三浦に聞いた歌で忘れられないのが、友部正人が「浅間山荘事件」をテーマにした『乾杯』である。

今だにクリスマスのような新宿の夜
一日中誰かさんの小便の音でも
聞かされているようなやりきれない毎日

 

電気屋の前に30人ぐらいの人だかり
割り込んで、ぼくもその中に
「連合赤軍5人逮捕、泰子さんは無事救出されました」
金メダルでもとったかのようなアナウンサー
かわいそうにと誰かが言い
殺してしまえ、とまた誰か
やり場のなかったヒューマニズムが
今やっと電気屋の店先で花開く

この詩を思い出したのは、法政大学教授の山口二郎が、立憲民主党の野田佳彦の安倍(晋三)追悼演説を絶賛し、これに「悪罵」を投げつける野党支持者を「嘆息するばかり」とツイートしたことを知ったからである。

山口によれば、「野田さんの追悼演説は、今後の政治勢力の分水嶺になる」のだとか。この演説をやりたくて、国葬に参加した時も、野田は「元首相が元首相の葬儀に出ないというのは私の人生観から外れる」などと言い、その安っぽさに山口はまんまとハマってしまったわけである。

山口は国葬に反対のはずではなかったのか?安倍と同じ自民党体質の野田を手放しで礼賛するところに山口の知的な弱さ、頽廃が表れている。

友部の詩はそれに鋭いナイフを突きつけたが、あがた森魚のヒット曲『赤色エレジー』は「お涙頂戴物語」と歌って、そうした安易さを痛烈に皮肉る。

野田が相田みつをが好きなことは知られているが、いわゆる「いい人」がそれにイカれる。すべては心が決めるんだなどというココロイズムは、少なくとも政治家が口にしていい言葉ではない。トイレによく掲げてある相田の教えを嘲笑して、小田嶋隆は相田を「トイレの神様」と呼んだ。

相田に引っかかるような程度の野田の演説に感心しては、山口の大学教授の肩書が泣くだろう。小選挙区の推進にしても、山口はよく間違う男だ。

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