元国税が暴露。相続税も払わぬ世襲政治家に搾取されるニッポンの異常

 

日本の低迷と世襲首相激増の関係

日本は先進国の中では異常に世襲議員が多いです。テレビ朝日のデータによると日本の衆議院の23%は世襲議員です。アメリカ、イギリスは7%程度、ドイツは1%以下です。しかも日本の場合、過去20年で首相9人のうち6人が世襲議員なのです。こんな国は先進国にはどこにも見当たりません。

世襲制というのは、人類の永遠の課題ともいえるものです。日本でも聖徳太子の時代から「門閥によらない人材登用」を掲げた政治改革が幾たびも行われてきました。しかし時間が経てば改革は骨抜きにされ、世襲制が復活してくるのです。

あの明治維新も、テーマの1つが世襲制の廃止でした。江戸時代のような、生まれた家柄で身分や職業が決まってしまう社会を廃し、家柄や身分に関係なく自分の能力にあった仕事や地位につける社会をつくるというのが明治維新の目的でもあったのです。

政治家というような、国の行く末を担うリーダーは当然、有能な人材でなければなりません。政治家の家に生まれた者が自動的に政治家になるというようなシステムがあっては絶対にならないのです。

そして現在の日本の低迷と世襲政治家の増殖はまったくリンクしているのです。日本は戦後、世襲政治家が首相になるケースはほとんどなく、平成になるまでの14人の首相のうち、世襲政治家は鳩山一郎だけでした。

しかし平成になってからは世襲政治家ばかりが首相になるようになり、実に6割以上の首相が世襲政治家だったのです。平成時代の日本は「失われた30年」とも言われ、日本が急速に衰退していった時期なのですが、この平成時代には世襲首相が激増しているのです。

日本が、何十年も前からわかっていた少子高齢化をまったく防ぐことができず、国民生活がどんどん苦しくなってしまったのも、世襲政治家ばかりになったことが原因の1つだと思われます。

また世襲政治家の弊害として、利権やしがらみの引継ぎという面もあります。親がもっていた利権やしがらみは、子供にもそのまま引き継がれます。

旧統一教会と関係が深い政治家が異常に多かったのも、親の世代から付き合いがあったことが要因の1つとして考えられます。

そして日本でこれだけ世襲政治家が増えたのは、相続税の優遇制度が非常に大きな原因だと思われます。少なくとも、この相続税の優遇制度は廃止しないと、世襲政治家の増殖は止められないし、日本の低迷も止められないのです。

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