辛口評論家として知られる佐高信さんは、かつて週刊誌のコラムで幸福の科学批判を展開し、教団から猛抗議を受けたことがあるそうです。今回のメルマガ『佐高信の筆刀両断』では、その顛末とともに、幸福の科学の実態を暴いた大川隆法の長男による著書の記述を紹介。さらには、遠藤誠弁護士による「ニセ宗教を見分ける10項目」を取り上げ、幸福の科学だけでなく、旧統一教会や創価学会にも当てはまる項目が多くあると指摘しています。
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ニセ宗教を見分ける10項目
幸福の科学出版で出している大川隆法の霊言シリーズの広告が『朝日新聞』などに堂々と載っているのには驚く。著者は大川で、たとえば筑紫哲也や田原総一朗の守護霊を登場させ、あたかも彼らが語っているかのように錯覚させる本を作って売る。
2012年4月29日号の『サンデー毎日』のコラムで、それはおかしいと批判したら、編集部にしつこく抗議してきて、結局、「幸福の科学グループ専務理事」という肩書の里村英一と対談することになった。
里村はTBSに勤めていたらしいが、最後のヤリトリが傑作で、里村が「実は今日、幸福の科学の入会申込書を持ってきました。サタカさん、口が悪くて後生危ないから、これにサインをお願いします」と言うので、「すぐに総裁になるなら考えてみますよ」と皮肉った。すると彼は「その発言が非常に堕地獄的。サタカさん、これがファイナル・ジャッジメント(最後の審判)ですよ」と真顔になって怒った。
そんな彼らに隆法の長男の宏洋が書いた『幸福の科学との決別』(文藝春秋)は強列な打撃となっただろう。
小学校に入る前から宏洋は両親からではなく教団の職員に「進化論は悪魔の教えだ」とか、「ダーウィンは天性輪廻を否定したせいで、無間地獄に落ちている。自分ひとりしかいない空間に、何万年も閉じ込められているんだ」とか教えられて育った。
お布施だけで1年に300億円も集まるおカネは「世界に1つしかないんだ」と隆法が自慢するウン千万円の腕時計や、女性幹部の高い給料とアクセサリーに化ける。信者は公称1,100万人などと言っているが、熱心な信者は13,000人程度であることは選挙の得票数を見ればわかる。
釈迦とマルクスを共に信奉する遠藤誠というユニークな弁護士がいた。そんな遠藤の「ニセ宗教を見分ける10項目」がおもしろい。
- 信者から最大限の財産を寄付させるか否か。させている教団はすべてニセ。
- 死後のことばかり説いて「いかに生きるべきか」を説かない教団。これもニセ。
- 終末論を説いて「うちの教団に入った者だけが救われる」と説く。これもニセ。
- 権力を志す集団。これもニセ。
- 出家者。つまり人間の間に上下の区別を認める集団。これもニセ。
- 自分の、「うちの宗派によらなければ救われません」と説く集団。これもニセ。
- 教祖自らが「わしは悟った」とか「私は仏陀の生まれ変わり」とか、「私は釈迦の生まれ変わり」であると公言する教団。これもニセ。
- 信者に対して修行生活を要求しながら、教祖自らはその修行生活を実践していない教団。これもニセ。
- 世の不幸を救うための行動を起こさない教団。これもニセ。
- 世の不幸を己れ自らの責任として自覚しない教団。これもニセ。
統一教会や創価学会にも適用できる項目がいくつもある。
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