「愛国」ではなく「愛アベ」が増えすぎた結果、日本の保守が変わってしまった

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誰かのファンになると視点が狭まって周りが見えなくなってしまう─。芸能人に対しても、政治家に対しても、一個人に対してもよくあることだと思います。現役医師の和田秀樹さんが今回、自身のメルマガ『和田秀樹の「テレビでもラジオでも言えないわたしの本音」』で語ったのは『愛アベ』になってしまった保守派たちのお話です。

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保守論壇の一員が語る「保守の変質」

安倍元首相の大ファンの方のFacebookの記事が私のもとによく届く。

その人は私の編集者で昔の同志と思っていたので、いろいろとコメントを書いてお送りするが、まったく通じないようだ。

安倍氏が圧倒的に雇用を改善させたので、若者の支持が厚いとも書いている。

いろいろな統計をみると確かに失業率は下がっているが、民主党政権だってその前の自民党政権より失業率が下がっている。

そして民主党政権時代は一人当たりのGDPにしても、最低賃金にしても韓国を圧倒していたが、アベ政権末期くらいからそれがおおむね並び、現在は抜かれてしまった。

いちばんの問題は、失業率が下がり、人手不足と言われているのに、賃金がさっぱり伸びないことだ。

経済学の原則としては人手不足が起これば賃金が上がる。実際、オーストラリアでは清掃職員が月収70万円くらいもらっている。ところがアベ政権は移民法を作って外国人を入れることで人手不足なのに給料が上がらない政策を断行した。

この記事の主はそれでも圧倒的な雇用の改善により、若者の支持が厚いと言っている。

日本も30年不況で安い給料でも雇われるだけましと思う若者が増えているのだろうか?そんなことでは消費不況は改善しないし、日本は外国から安い国と思われてしまう。

ついでにいうと、失業率を改善させるためには役場の窓口が残酷になって生活保護を門前払いにするのがいちばん有効だ。悪い条件でも飢え死にするよりましと思って働くから失業率が改善する。失業率がゼロに近いのに賃金が上がらない国というのは、たいがいそういうメカニズムだ。それでも働き口があるといって喜ぶとしたら先進国とは言えない。

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