韓国国民「7割が核保有に賛成」の驚愕。実現した場合アメリカは黙っているのか?

Nuclear explosion in the precincts of the desert.
 

今回の報告書は戦術核再配置論議だけでなく、NATO(北大西洋条約機構)加盟国の国防長官が参加する核運用調整機構である核企画グループ(NPG)と類似した「核共同企画協議体」の新設、英国・フランスなどを含む「多国間核の傘」の拡張なども考慮できるという内容を盛り込んだ。

報告書の作成を主導したビクター・チャCSIS韓国碩座(担当)は「ロシアのウクライナ侵攻は韓半島に様々な影響を及ぼした。何よりも(北朝鮮の脅威などに対する)緩衝剤として、米国という強力な軍事同盟国、安保後援者を置くことの重要性を想起させた」とし、「しかし同時に核武装国家(北朝鮮)と向き合った核兵器のない大国(韓国)として、韓国の(軍事的)脆弱性に対する憂慮を増幅させた」と述べた。それと共に「韓国の新大統領(尹錫悦大統領)の対北朝鮮政策はバイデン政権の立場とより一致するものと見られる」とし「(今回の報告書提言などを通じて)韓米同盟が安保条件を向上させる機会を持つことができるだろう」と話した。

ビンセント・ブルックス元在韓米軍司令官は「韓国は彼らの安保要求を満たすために独自の核兵器を開発できる代案を持っている」とし「(また)彼らは(高度化する北朝鮮核の脅威の中で)正当な安保要求と憂慮を持っていることを確実にしなければならない」と述べた。さらに、「我々は戦術核を韓半島に配備したり、韓国が独自の核兵器を開発することを推奨しない」としながらも、「(北朝鮮問題が)引き続き誤った方向に進むなら、我々はそれ(戦術核配備)を代案として見るという信号を送る必要がある」と述べた。

キャトリン・キャッツ元NSC(国家安保会議)アジア担当補佐官は、「(北朝鮮の核抑止力を強化するために)韓米合同演習を再開することは肯定的だ」とし、「前政権(文在寅行政府)の下で(韓米間の)演習は縮小され、甚だしくは取り消しになった」とし、「(北朝鮮の核脅威に対応するためには)韓米演習の範囲・性格を拡大しなければならない」と述べた。

アンケート調査で70%の韓国国民が核兵器を保有すべきだと答えたという結果が出たというのは、韓国で生活している筆者としては体感的に納得できる数値だ。ただ、そうはいってもすぐに韓国が核を開発できる体制にならないことはあまりにも明確だ。戦術核の配備すら、上述のように簡単にできるオプションでないことをみてもそれはわかる。

しかしながら去年の暮れのように、金正恩がほぼ毎日のようにミサイルをぶっ放しドローンを飛ばすような状況が今年もまた継続するなら、韓国の対応も変化せざるをえないだろう。すくなくとも最後の部分のキャトリン氏の言うように、韓米軍事演習を拡大するような方向で進んでいくべきであろう。ガンジーのような無抵抗主義は(思想そのものは美しいものだが)、現在の南北関係においては1ミリの意味もない。

(無料メルマガ『キムチパワー』2023年1月20日号)

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韓国暮らし4分1世紀オーバー。そんな筆者のエッセイ+韓国語講座。折々のエッセイに加えて、韓国語の勉強もやってます。韓国語の勉強のほうは、面白い漢字語とか独特な韓国語などをモチーフにやさしく解説しております。発酵食品「キムチ」にあやかりキムチパワーと名づけました。熟成した文章をお届けしたいと考えております。

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