したたかなのはシンガポールです。以下、香港サウスチャイナモーニングポストの1月22日の記事です。
シンガポールでは石油貯蔵タンクの需要が急増しており、ロシア産燃料が大量にブレンドされて世界に再輸出される兆しがある。
2022年12月にシンガポールの石油受入ターミナルのロシア産石油の量は1年前に比べて2倍以上になった。
ロシアからの安価な燃料供給と他の供給源からの出荷を混合することによる利益の上昇により、シンガポールのタンクスペースが買い占められつつある。
このプロセスにより、貨物の原産地が不明瞭になる可能性があるという。
試算によると、ロシア産の成分を他のグレードと混合して燃料油にすることで、トレーダーは20%近い利幅を得ることができる。
解説
経済制裁はされる方はもちろんですが、する方にも痛みを伴います。
通常なら安く買えるモノ(今回の場合は原油や石油精製品)を高く買わざるえないからです。
経済制裁はどこかで破綻します。
破綻しない間は経済にゆがみが生じます。その歪みを利用して漁夫の利を得る人、国家もでます。
理想と現実の両方を見つめての議論が望まれます。
この記事の著者・大澤裕さんのメルマガ
image by: Shutterstock.com
ページ: 1 2