人間の内面の変化は、他人に見えないところで起こり、それを周囲に気づかれまいとする人がほとんどなのだそう。そのことについて、メルマガ『喜多川泰のメルマガ「Leader’s Village」』で自己改革小説の第一人者・喜多川泰さんは今回、指導者の目線から語り、相手に「伝えるべきこと」の大切さを説いています。
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態度が変わらないからといって
一説によると、人は一日に4万から6万の考え事をしているそうですね。人の思考のうちおよそ97%~98%が、前の日と同じだそう。考えてみれば当然の話で、前の日の自分の思考と今日の自分の思考が100%変わってしまったとしたら、それはもう私ですらない。「私は誰?ここはどこ?」になってしまう。前の日までの記憶が蓄積されているからこそ、我々は普通に生きていけるんですね。無意識の領域でさまざまなことが処理できるのも、昨日までの自分と今の自分がほとんど変わらないからです。
昨日までの自分と1%だけ違う自分になれるだけで十分です。
昨日までの自分とは1%だけ違う自分になれれば、それを一年続けるだけで元の自分とは別人になれるでしょ。暇な人は、元にする数を1としてそれを0.99倍し続けてみて。365日後には、元の数の0.02ほどになるはず。つまり一年後には元になる部分は2%ほどしか残っていないことになる。
そもそも、人間の内面の変化は、他人には見えないところで起こる。そして、それが起こったときには変化があったことを周囲に気づかれまいとする人がほとんどだということを指導者は知っておいた方がいい。
毎日誰かと会える学校などの環境は、小さな革命児たちと出逢うチャンスがたくさんある。
村長が小学生だった頃、男子便所で個室ブースに入っていると、「誰か入ってるぞ!」と大騒ぎになった。学校で「大」をするだけで、ものすごくバカにされたり、いじめられたりする文化があった(食事中に読んでいる方ごめんなさい)。でも一人の勇気ある革命児によってその文化は一転した。5年生のあるとき、クラスメイトの一人が、「これから俺、◯◯◯してくるから」と宣言してから教室を出たのだ。それ以来、それを笑う奴の方がバカにされるような風潮になった。
中学一年の頃には「お前、あいつのこと好きなんだろ」と言われたときの反応の仕方に革命的な変化があった。もちろんそれをもたらしたのは、一人の勇気ある革命児だ。それまでは、「違うし!」とキレ気味に否定するのが「常識的反応」だったのに、ある男が、みんなの前で「ああ、大好きだよ。告白するから応援して」と言ったのだ。それ以来、「お前、あいつのこと好きなんだろ」は相手を困らせるワードでなくなり、誰も言わなくなっただけでなく、告白ブームのようなものがやってきた。
中学3年の時に、ワープロを買った奴がいた。当時のワープロは液晶のディスプレイに二行だけしか文字が表示されないものであったが、ひたすらそこを見ながらカチカチやってる。誰も何をやっているかわからなかった。「お前、何やってるの?」とあるクラスメイトが聞くと「小説書いてる。できたら読ませてやるよ」と彼は事もなげに言った。彼にはたくさん友人がいたが、彼の周りにいる人たちは、その後の人生で「こんなことやったら笑われるかな」と躊躇することなく、自分な好きなことにストレートに挑戦する奴が多かった。そのきっかけはこの「小説」だったと村長は思っている。
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