生きていくには必要なお金。ただ、必要な額も何にどれだけ使うかも人によってまったく違います。当然将来のために備えておくべきお金も…。今回の無料メルマガ『1分間書評!『一日一冊:人生の智恵』』で本のソムリエさんが紹介するのは、“おひとりさま”のためのお金の貯め方に関する一冊。一般的な節約術ではなく、3大固定費と言われる家、車、保険への考え方など、「どう生きていくか」を見つめ、照らし合わせていく大切さに気づかせてくれるようです。
【一日一冊】おひとりさまが知って得する、お金の貯め方・増やし方
『おひとりさまが知って得する、お金の貯め方・増やし方』
佐藤治彦 著/ぱる出版
お金の貯め方というと節約術中心の本が多いなかで、生き方を中心にした本ということでご紹介します。著者の考え方は、「生活に必要なお金は人それぞれ」ということです。
山登りが趣味であれば、それほどお金はかかりません。海外旅行が趣味であれば、お金が必要でしょう。必要なお金は人それぞれなのです。
注意すべきことは、人並みという常識でお金を使わないことです。例えば、お墓や葬式を心配して事前に準備している人もいると思います。著者は、葬式やお墓は残された人のためのものであり、おひとりさまがそこまで考える必要があるのか、と疑問を呈しています。
お墓や葬式の心配よりも、お世話になった人に礼状と謝罪の手紙を書いたらどうか。自分が死んでから、自分のことを思い出してくれる友人を作ることに注力してはどうか、と著者は語りかけるのです。
余裕のない人まで、葬式だ、墓だと節約して何百万円もお金を残す…そんなことより、生きている間に楽しいことをした方がいい(p256)
興味深いのは住居や自家用車や保険といった3大固定費の考え方でしょう。まず住居については、家賃を払うくらいなら自宅をローンで買ってしまおうと考えている人が多いと思います。自宅は終の住処(ついのすみか)として安心できると思いますが、著者が警鐘を鳴らすのは、資産のバランスです。
仮に住宅・土地が8,000万円、貯蓄が1,000万円ではもし病気や天災などでお金が必要となったときに対応できる余裕がありません。自宅を購入するにしろ、貯蓄を厚くするとか、住宅を中古にするとか、固定金利でローンを借りるなどリスクを考えるべきであり、バランスが大切なのです。
自宅の場所も自家用車がなくても、買い物ができ、役所や病院に行けるところに住むのが理想です。加齢や認知症で、自家用車を運転できなくなるかもしれません。日常的に歩いて移動したほうが、健康のためにもなるのです。
保険については、100点満点の保険に入らないようにアドバイスしています。おひとりさまなら、死亡保険金はいらないのです。
50歳を過ぎたら自家用車で移動するよりも、自分の足で移動していく方が健康のためにもいい(p77)
著者は、できれば長く元気に働いて、年金もできるだけ先延ばしして、金額を増やすことを推奨しています。
働いていれば、人との繋がりもできるし、毎日やることがあるのは素晴らしいことだと思います。年金も長生きリスクに対応した保険と考えれば、できるだけ先延ばしして金額を増やしておくのがよいのです。
私のお金への考え方と非常に似ていると思いました。「おひとりさま」をテーマにしていますが、普通の人にも読んでいただきたい一冊です。
佐藤さん、良い本をありがとうございました。
【私の評価】★★★★☆(82点)
<私の評価:人生変える度>
★★★★★(ひざまずいて読むべし)
★★★★☆(素晴らしい本です)
★★★☆☆(読むべき一冊です)
★★☆☆☆(余裕があればぜひ)
★☆☆☆☆(人によっては)
☆☆☆☆☆(こういう本は掲載しません)
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