稲盛和夫氏が教えてくれた。工場自体は普通でも海外企業に勝てるニッポンの強みとは?

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日本の企業にあるという、海外の敏腕経営者たちが驚くほどの強み、それは何なのでしょうか?今回のメルマガ『致知出版社の「人間力メルマガ」』では、日本企業の研究に取り組んできた大学教授が、京セラの稲盛和夫氏が教えてくれた強みについて明かしています。

日本企業の研究に取り組んできた大学教授が明かす、初対面の稲盛和夫さんから教わった現場力

長年、日本企業の研究に取り組んできた加護野忠男さん(甲南大学特別客員教授)。海外の経営者も驚いた、日本企業の強みとは一体何だったのか?

日本を代表する名経営者たちのエピソードから探ります。見えてきたのは、企業は現場の考える力が命であるという事実です。

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松下幸之助さんと同様、零細企業から始まり、普通の人をきっちり育て上げてきた名経営者に京セラの稲盛和夫さんがいます。

私が初めて稲盛さんにインタビューをした時に、「京セラの強みはどこにありますか」と聞いたら、稲盛さんは次のような印象的なエピソードを紹介してくれました。

競合するアメリカ企業を稲盛さんが買収した時のこと。稲盛さんは買収後も同じ社長に経営を任せたいと思い、その社長を日本に招き京セラの工場を見てもらいました。するとその社長はこう言ったといいます。

「私は驚いた。あなたの工場を見ても特別な技術はない。普通の技術じゃないか。なぜあなたに負けたのだろう」と。

稲盛さんは答えます。「特別な技術がないから我われは強いのです。普通の技術で普通ではない結果を出すことこそ、京セラの強さなんです。そしてそのためには、現場の人たちがしっかりしていることが大事だ。だから現場の人たちにしっかり物事を考えてもらえる組織をつくった」

おそらく、経営者としての個々の能力を比べれば、圧倒的に日本よりもアメリカの経営者のほうが強いでしょう。しかし、現場の従業員まで含めた総合力では、日本企業のほうが圧倒的な強さを発揮します。

現場の普通の社員が普通ではない結果を出す、現場の人間が自ら考え、自ら動く。この現場力の強さもまた日本型経営の強さの大きな要因だと言えます。

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【著者】 致知出版社 【発行周期】 日刊

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