北朝鮮にある名勝地「金剛山」で、かつて観光客が射殺された事件があったことをご存知でしょうか。今回のメルマガ『宮塚利雄の朝鮮半島ゼミ「中朝国境から朝鮮半島を管見する!」』では、日本で最も朝鮮のことを知っている一人である宮塚コリア研究所の宮塚先生が、2008年に金剛山で一体何が起きたのか紹介しています。
※本記事は有料メルマガ『宮塚利雄の朝鮮半島ゼミ「中朝国境から朝鮮半島を管見する!」』2023年3月5日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。
北朝鮮「金剛山」観光で観光客が射殺された
金剛山は天下の名勝地である。朝鮮では古くから「金剛山を見ずし
金剛山は「ダイヤモンド(金剛石)のように輝く山」としてその名
山登りが好きな私は金剛山の主峰である昆蘆峰(ピロボン)の登山
観光案内書には
「昆蘆峰の頂上に辿り着くと朝日をあびると銀色に
、夕日に移ると黄金色に輝くはしごがあり、観光名所となっています」
とあっ
旅の最終観光コースは「三日浦」(サミルポ)である。三日浦は温
湖の中ほどに青松の茂る臥牛島が浮かび、その付近に四仙亭址、舞
ターをきっていた。
【関連】非難轟々でも「盗掘」を続けた朝鮮総督府。バックについた“味方”の正体
三日浦の名前の由来は、昔ある王が日帰りの予定で遊びに来たが、
だったかつまみを買って見晴らしのいいところで一杯やろうとした
三日浦に行く途中にはさびれた農村もあり、バスの中から写真を撮
金剛山観光では案内のパンフレットに
「北朝鮮兵が監視しているの
で不可能であるが、観光地区や道路を外部と隔てている金網を越えてはならな い。これは北朝鮮一般住民も同じである。せっかく金剛山に行きながら現地の 住民との触れ合いがまったく得られないという、観光として非常に大きな問題 を抱えている。また、観光中に決められたコースを外れることも禁止されてい るが、この点は金剛山の自然保護の観点から、また軍事境界線に近いという事 情で場所によっては地雷が埋設されているため、理解不能の規制ではない」
と
しかし、安全なはずの観光で事件は起きた。
2008年7月11日に韓国人の女性観光客(当時53歳)が早朝
この事件については不可解な点が多い。
北朝鮮側は被殺者が軍事地域を侵犯したと主張したが、韓国政府の
マスコミと家族の証言によれば、被害者が歩いていた当該箇所は、
とのこと。北朝鮮兵が射撃直前被害者に警告したという北朝鮮側の
遺体を解剖した医師は、北朝鮮兵が無防備の状態の民間人たる被害
この事件をきっかけに南北関係が一気に冷却していった。
この記事の著者・宮塚利雄さんのメルマガ
image by: Shutterstock.com