「稼働中の原発だけが危険」という大きな勘違い
ところで、日本には現在(2023年3月1日時点)、原子力発電所が、全国に57基もあり、うち7基が稼働中です。
北海道に3基、東北に14基、関東甲信越に9基、東海に5基、北陸に15基、中国に2基、四国に3基、九州に6基で、合計57基です。
実験炉の「もんじゅ」や「常陽」も含めると全部で59基になります。
2011年3月、地震と津波によって、東京電力福島第一原子力発電所は、大事故を起こしました。
その後、津波対策を怠っていた無責任な東京電力をはじめ、政府も電力業界も「原発ゼロ」を阻止すべく、原発再稼働に向けて動いています。
60年以上稼働した老朽化原発でも、政府は新たな安全基準を作り、「再稼働ありき」で、新規原発の開発までをも見込んでいます。
原発事故に何の反省もなく、電力不足を理由に、「再稼働」「新規原発」の方針なのです。
これまで再生可能エネルギー開発の方策を怠ってきたままに、今また「原発再稼働ありき」の結論を導きだしたのです。
かつて安倍元首相は、東京五輪誘致を目指して、IOC総会で、「フクシマは安全で、コントロール下にある」と発信しましたが、福島第一原発の原子炉建屋に流れ込む汚染された地下水は、今も増え続け、保管する汚染水タンクは増え続けています。
そして、トリチウム入りの汚染水を薄めて、漁業関係者の反対を押し切り、今夏にも海に放出しようとしています。
そして事故を起こした福島第一原発の4基の原子炉は、廃炉に向けて数十兆円をかけ、数十年に及ぶ廃炉作業に追われている有様です。
この狭い国土に、59基もの原子炉が置かれているのが日本ですが、原子炉は稼働していなければ、安全──ということではありません。
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