習近平を完全に怒らせた岸田文雄。石垣島の現地ルポで判明、陸自駐屯地設置で沖縄は標的になる

2023.04.05
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3月16日、沖縄県石垣市に開庁した陸上自衛隊石垣駐屯地。有事の際には敵国からの攻撃を受けることは確実となった南の島は、今どのような状況となっているのでしょうか。今回、政治ジャーナリストで報道キャスターとしても活躍する清水克彦さんが、新駐屯地設置に揺れる現地の様子をレポート。そこで見えたのは、最優先課題でありながら全く進んでいない「住民避難計画」の困難さでした。

清水克彦(しみず・かつひこ)プロフィール
政治・教育ジャーナリスト/大妻女子大学非常勤講師。愛媛県今治市生まれ。早稲田大学大学院公共経営研究科修了。京都大学大学院法学研究科博士後期課程単位取得期退学。文化放送入社後、政治・外信記者。アメリカ留学後、キャスター、報道ワイド番組チーフプロデューサーなどを歴任。
著書は『日本有事』(集英社インターナショナル新書)、『台湾有事』『安倍政権の罠』(ともに平凡社新書)、『ラジオ記者、走る』(新潮新書)、『ゼレンスキー勇気の言葉100』(ワニブックス)、『頭のいい子が育つパパの習慣』(PHP文庫)ほか多数。

初の自衛隊基地が設置された沖縄・石垣島、現地ルポ。忍び寄る「戦争の足音」

「外交の岸田」、久々のタイムリーヒットで6月解散、7月総選挙の可能性浮上

岸田内閣の支持率が上昇している。NHKと朝日新聞の世論調査では、ともに2月が35%だったのに対し3月は40%。日本経済新聞の世論調査に至っては、43%だったのが48%と、50%台回復も視野に入ってきた。

その背景には、3月16日の日韓首脳会談で関係改善に舵を切ったこと、そして、3月21日、訪問先のインドから木原官房副長官ら総勢12名でウクライナを電撃訪問したことなどが挙げられる。

特に、モスクワで中ロ首脳会談が開かれる中、極秘にウクライナの首都キーウを訪れ、ゼレンスキー大統領と会談したことは、「中ロ首脳が会談している=キーウへのミサイル攻撃はない」と判断した岸田首相の読み勝ちだ。

また、ウクライナ問題で主導権を握ろうとしていた習近平総書記とプーチン大統領の鼻を明かしたという点でも、久々に打ったタイムリーヒットと言うべきであろう。

特筆すべきは、この先、岸田首相にとって支持率を押し下げそうな事象が少ないことだ。

5月19日から広島で始まるG7サミットは、「外交の岸田」をアピールする絶好の機会になる。岸田政権にとって喫緊の課題である「異次元の少子化対策」も、財源に不安を抱え、「選挙前の大盤振る舞い」との批判があるものの、バラまいてもらう子育て世帯側からすれば批判の対象にはなるまい。

岸田首相としては、自身の再選がかかる自民党総裁選挙(2024年9月)の日程から逆算しつつ、確実に選挙に勝てそうな時期、つまり、G7サミットを終え、6月に「異次元の少子化対策」の大枠をまとめた後の解散・総選挙を想定しているのでは、と筆者は見る。その場合、最も有力な選挙日程は、7月11日公示、23日投開票となる。

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