倒産危機「カメラのキタムラ」をV字回復させた男が打った秘策

 

全国に624店舗(2022年9月末時点)を構える「カメラのキタムラ」を運営する「キタムラ・ホールディングス」は一度、キタムラの事業で赤字を計上。倒産危機もあったそうですが、それをわずか1年でV字回復させた人がいます。今回の『致知出版社の「人間力メルマガ」』では、「キタムラを救った男」キタムラ・ホールディングス代表取締役社長・武田宣氏のインタビューを公開しています。

カメラのキタムラが倒産危機で打った秘策

「カメラのキタムラ」を運営するキタムラ・ホールディングス。

2016年、創業以来初の赤字を計上したキタムラの事業の継続と従業員の雇用の継続を条件に再建を託された武田宣氏は、同社を僅か1年でV字回復へと導きました。

覚悟を持って取り組んだその道のりには経営と仕事の極意が詰まっています。

現在発行中の『致知』最新号(5月号)の記事の一部をご紹介します。

再建を成功させた四つの戦略 

──再建に当たって何から着手を。

まずは、キタムラの皆さんの思いを理解していこうという姿勢が最も重要でした。

自分がやるというよりも、問題提起をして皆さんに考えてもらい、お任せしたということは成功の秘訣だったと思います。

その上で大きくは四つに着手してもらいました。

一つはとにかく会社を筋肉質に変えること。

「スリムマッチョ戦略」と言っていますが、いままでのやり方を見直し、無駄を削ぎ落として会社を健康体にする。

そのために仕事の中身を数値化しようと皆に考えてもらいました。

健康診断と同じで「肝臓悪そうですね」と言われてもぴんとこないけども、数値を出されたら「これはやばい」と思うでしょう? 

キタムラの社員も、どうも調子が悪いなと思っていたはずなのに何が悪いのか分かろうとはしなかった。

そこで、不採算事業の細かいデータや、生産拠点の効率など洗い出すことで、徹底的に無駄を省いていったんです。

しかもそれを一方的に進めるのではなく、データを元に社員との綿密なコミュニケーションを重ねたことで、会社を高利益体質に生まれ変わらせることができました。

二つ目はデジタル化。

これには特に力を入れました。

もともと当社の強みとして、ECサイトの売り上げやネットの関与率が非常に高いことがありました。

この強みを生かすために、属人化してしまっていた仕事、例えばカメラの査定をデジタル化して誰でもできるようになりました。

これによって中古カメラの再利用に関する事業を伸ばすなど新たな道が見えてきたんです。

そして三つ目が、マーケティングとブランディング。

この新宿 北村写真機店の立ち上げもその一つですが、同じ新店舗をつくるならカメラといえば新宿。

新宿にカメラを見に行くなら必ず北村写真機店に行ってみよう!と思われる店をつくろうと思いました。

そして、テレビCMもこれまでよりも社員が誇りを持て、企業イメージが上がりユニークなものを企画してもらいました。

そうすると自然と社員のモチベーションも上がるわけです。

四つ目は……(本誌へ続く)

image by: Takamex/Shutterstock.com

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【著者】 致知出版社 【発行周期】 日刊

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