MAG2 NEWS MENU

「レイオフの不安」と向き合いながらNYで働く日本人の素直な思い

長らく不景気が続く日本ですが、会社員として働いている場合は勤務態度が著しく悪いなどの理由がない限り、解雇は認められません。しかし、アメリカでは違います。たとえ本人が仕事をしっかりこなしていても、会社の事情がでレイオフ(一時解雇)されてしまいます。今回の『メルマガ「ニューヨークの遊び方」』ではNY在住の人気ブロガー・りばてぃさんが、厳しい環境で働いて気が付いたことを伝えています。

相手の反応が薄くても意見や提案をすることは大事なのかもしれません

ラノベのような長いタイトルになってますが笑、小売のお仕事とデータ・サイエンス会社でいろいろと進展がありまして、進展するきっかけを後押ししていたのは、これまで自発的に行ってきた意見や提案だったので、少し備忘録的に書いておきたいと思います。

まず小売の方。少し前に「提案しても実行できる立場ではないので提案を遠慮してしまう」といったことをこのコーナーで書きましてなんとまぐまぐニュースさんにも取り上げてもらったのです。

3つの仕事を掛け持ちして感じた「やる気」と「権限」の不均衡の弊害

改善したいことがあっても実行まで責任を持てなければ提案の仕方は考えないと迷惑になりかねないといった悩みでした。

で、実はつい最近、店長と面談することがあったのです。半年ごとにスタッフ1人1人とするものだそうで、通常は昼間から夜の閉店までを担当する店長がわざわざ早朝に出社し行ったもの。

1人あたり15~30分程度。面談の目的は本社に提出する評価表の作成ですが、スタッフの悩みや意見を聞く時間でもあり、今後の仕事の目標なども話し合うというのも含まれていました。

なのでまずは何か仕事上での悩みや意見などはありますか?という質問をされまして、思わず堰を切ったように自分的に最も重要と思っていることをものすごい勢いで伝えてしまったわけですが、ふと我に返って、「思わず要望から伝えてしまいましたがここで働けていることをとても感謝しています。ありがとうございます」と慌てて伝えたりもしました。

実際、ほんとに感謝してまして、小売の勉強もできる上に運動も兼ねているので、まぁまぁな経験も積める上に最近とても体調も良いのです。それに朝の時間の仕事じゃなかったら他のお仕事との兼ね合いもあるのでそもそも働くのは無理だったかもしれません。なので、誇張ではなくこのお仕事の存在があることに本当に感謝しているのです。

そんなわけでお礼を改めてお伝えしたあとにマーケティング的観点の話や、以前から少し疑問に思っていた主に日系のディストリビューターさん(商品を卸す食品商社さん)の卸し方について相談したりしました。

当然、守秘義務があるので細かい話はここではできませんが、大まかな方向は同意してくれたり、商品陳列の部分はアドバイスくれたりと非常に良い面談でした。

なお、本社提出用の評価表も上々で、店長から、「建設的な提案もしてくれて評価しています」と、これまでの提案も鑑みて評価を良くつけてくれたのです。迷惑になってないかなと心配でしたけど忙しい中でも気にしていてくれたのかと嬉しかったです。

そんなわけでまとめると、何も言わなければ、当たり前ですけど相手には何も伝わらないので、今後も迷惑にならない程度に売上アップのアイデアとか改善できそうなことはどんどん提案していこうと思います。

この記事の著者・りばてぃさんのメルマガ

初月無料で読む

次にデータサイエンス会社の方ですが、こちらもつい最近、進展がありました。

こっちは働く時間も長くむしろ提案は積極的にしないといけないので、実際いろいろ積極的に動いてまして、例えば、日本語特有のプログラミングについて調べてわかったことや(プログラマーではないけど日本語でしかわからないこともあったり)、ChatGPTで実行可能な効率化を発見した!という提案などなど、日頃の業務の延長のような提案もしてきたところ、この度、「あなたはテックにも非常に強いので…」という理由で、日本市場以外も一部を担当することになったのです!!

データ・オペレーティング・マネージャーという肩書きなのにいまさらテックに強いかどうかの判断って何なのか?と思われるかもですが、私の仕事は半分くらいは日本の文化や市場に関するマーケティング分析も含まれているので、他の国を担当するデータ・オペレーティング・マネージャーたちも含めて、必ずしもごりごりのエンジニア系ではないのです。

テック人材とマーケティング人材の間のような感じで、機械学習の一部を担っているという仕事内容なのです。あと、小さい会社なので上下や横の繋がりの風通しが良いため仕事も提案次第ではいろいろさせてもらえる自由さもあったりします。

なので可能な範囲で提案やアイデア出しや考察などを伝えるようにしてきたところ、テックにも非常に強いという印象を持ってもらえたようで、直属の上司が行っていた仕事の一部を担当することになったのです。

これはどういうことを意味するかというと、仮に日本市場が縮小してもアメリカ全体に関係することを担当していれば会社に残っていけるということです。

少し説明がややこしいかもしれませんが、アメリカの企業、その中でも特にスタートアップ企業は資金管理を徹底しています。最近のアメリカの大手テック企業の解雇(業務縮小のためのレイオフ)については耳に入っている人もいると思いますが、担当する仕事で利益を見込めない場合、縮小もしくはその部署を閉鎖することは珍しくなく、その場合レイオフされることが多いです。

一般的な解雇は仕事をしていないなどの理由で解雇されますが、仕事をしっかりこなしていても会社の事情が変わればレイオフされてしまうので、個人でコントロールできない問題だったりします。そして特に私のように「日本市場担当」という特定の国や地域を担当している人は、常にレイオフ危機に直面していたりもします。

以前、某アメリカ大手企業の日本市場担当の人が、「日本市場を重視しない傾向がでていて縮小危機にある」という話をしていたことがありまして、その時はピンと来てなかったのですが、今はその言葉がめちゃくちゃ理解できます。

まぁ、なので日本の経済や国力が落ちると、間接的に海外での日本人の働く機会にも影響すると言っても過言ではないかもしれませんね。

そんなわけで、できればうちの会社でも日系企業のクライアントや日本市場を非常に重要視する欧米企業がもっとクライアントになると良いなと思っているところです。

この記事の著者・りばてぃさんのメルマガ

初月無料で読む

話を戻すと、そんなプレッシャーの中、3月末で無事に日本市場向けデータベースが完成。今後は足りない部分の継続運用とメンテナンスをしていく方向性で話は決まっていたわけですが、その後はどうするの?という問題は残っていたのです。まぁ、あまり詳しく書けませんが。

なので何か提案しなくては…と思っていた矢先に新たにアメリカ市場に関する業務も担当することになったという流れです。週の業務内容の半分が日本市場に関すること、残り半分はアメリカ市場に関することとなります。これでしばらくはレイオフの心配は大丈夫かなぁ?と思ったりしています。

勘違いしないように補足しておきますと、アメリカの企業で働くことは常にレイオフの危機を抱え続けるというわけではありません。たまたまここ最近のテック業界の動き(ChatGPT含めた新たな進化)、シリコンバレー銀行問題などなどあると嫌でも危機感を感じてしまうというだけです。

まぁでも、とある研究で解雇の危機感がほどよくある方が仕事の成果が上がりやすいというデータが出ていたので、ちょっとしたプレッシャーは良いのかもしれません。

日米では働き方もコミュニケーションの仕方も違うことが多いので、日本でも通用するかはわかりませんが、少なくともアメリカでは「何も言わない人=何も考えてない人」になるので発言する癖はつけておくと良いなーと改めて自分の経験を通して感じました。

この記事の著者・りばてぃさんのメルマガ

初月無料で読む

image by: Shutterstock.com

りばてぃこの著者の記事一覧

ニューヨークの大学卒業後、現地で就職、独立。マーケティング会社ファウンダー。ニューヨーク在住。読んでハッピーになれるポジティブな情報や、その他ブログで書けないとっておきの情報満載のメルマガは読み応え抜群。

有料メルマガ好評配信中

  初月無料で読んでみる  

この記事が気に入ったら登録!しよう 『 メルマガ「ニューヨークの遊び方」 』

【著者】 りばてぃ 【月額】 初月無料!月額880円(税込) 【発行周期】 毎週 水曜日 発行予定

 

 

print

シェアランキング

この記事が気に入ったら
いいね!しよう
MAG2 NEWSの最新情報をお届け