岸田首相の外ヅラを最重視。広島サミットに向けた公共事業が炙り出した「ムダと恥」

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開幕まで2週間を切ったG7広島サミット。岸田首相の強い希望で実現する地元選挙区での首脳会議ですが、現地ではさまざまな「問題」が露呈しているようです。今回の『きっこのメルマガ』では人気ブロガーのきっこさんが、首相の面子を優先するがあまりに生じた不手際や税金の無駄遣いの数々を報告。さらにサミット本番で首相が口にするであろう「外ヅラ発言」に、多くの国民が失望必至となる理由を記しています。

外ヅラ重視な岸田首相の厚顔無恥。広島サミットは本当に大丈夫なのか?

5月19日から3日間の予定で開催されるメインディッシュの「G7広島サミット」に向けて、4月15日~16日に札幌で開催された「G7環境相会合」を皮切りに、軽井沢での「G7外相会合」、倉敷での「G7労働相会合」、宮崎での「G7農水相会合」、高崎での「G7デジタル相会合」と、これまでに前菜やスープが次々と供されて来ました。5月からは、新潟での「G7財務相会合」、仙台での「G7科学技術相会合」、富山での「G7教育相会合」、長崎での「G7保健相会合」などが続いて行きます。

そして、メインディッシュの「G7広島サミット」が終わると、6月には伊勢志摩での「G7交通相会合」、日光での「G7男女共同参画相会合」、7月には東京での「G7法務相会合」、高松での「G7都市相会合」、10月には堺での「G7貿易相会合」、12月には水戸での「G7内務相会合」と、半年を掛けて豪華なフルーツやデザートやカフェが供されて行きます。

こうして「G7サミット」の全体の日程を見てみると、もちろん花形は各国首脳が集まるメインディッシュの「G7広島サミット」ですが、それだけが重要なのではなく、前菜から食後のカフェまでを含めて「G7サミット」だということが分かると思います。それなのに、今回の日本が議長国である「G7サミット」を見てみると、岸田文雄首相の晴れ舞台である「G7広島サミット」にだけ、異常な規模の予算が投入されているようなのです。

あたしがそう感じたのは、3月27日(月)の文化放送『大竹まこと ゴールデンラジオ』に出演した、月曜コメンテーターの森永卓郎さんの次の報告でした。

森永卓郎さん「広島へ行ったら空港から市内までの道路を舗装し直してるんです。何の問題もないきれいな道路だったのに、何で舗装し直してるのかタクシーの運転手に聞いたら『G7サミットの準備』と言うんです。岸田首相のメンツのために税金で無駄な公共事業、驚きました」

百歩ゆずって、もともと傷んでいた道路を「G7サミット」の開催に合わせて整備するというなら分かりますが、きれいだった道路を舗装し直すなんて、岸田首相が「G7広島サミット」で声高に宣言する予定の「GX(グリーン・トランスフォーメーション)の実現」に完全に逆行しているじゃないですか?

そして、次に飛び込んで来たのが、原爆被爆樹木のシダレヤナギを誤って伐り倒してしまったという悲しいニュースでした。広島では、爆心地から約2キロの範囲内で焼失を免れた約160本の木々を「原爆被爆樹木」に指定し、ヒロシマ復興の象徴として大切に保存して来ました。しかし、政府が広島県に「G7広島サミット」に向けて景観を改善する周辺工事を指示したところ、県からその工事を請け負った土木工事業者が、京橋川沿いのシダレヤナギを被爆樹木とは知らずに伐り倒してしまったのです。

被爆樹木の登録に尽力した、被爆者で「広島原爆資料館」の元館長の原田浩さん(83)は、「ただ残念、という他にない。高齢化した被爆者が亡くなる中、樹木や建物などの役割が重要になっているのに…」と肩を落としました。これまた「GXの実現」に完全に逆行してますよね?

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