プーチンにとって理想的な人物だったプリゴジン
解説
このブリゴジン、2000年にはシェフとしてプーチンと日本の森首相ももてなしているそうです。
その人が民間軍事組織(傭兵部隊)の長となって、正規軍以上に頼りにされたのです。専制君主国家で君主に気に入られるという事の意味が分かります。
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しかし、プリゴジンが普通のビジネスマンではなかったという兆候が現れ始めたのは、2014年のロシアによるウクライナ侵攻の後だった。
彼とつながりがあるとされる影の民間軍事会社が、東部ドンバス地方でウクライナ軍と戦っていると最初に報じられたのだ。
ワグネルとして知られるその傭兵グループは残忍さで恐るべき評判を得るようになった。
しかし、なぜクレムリンはプリゴジンのような人物に世界中で情報操作や軍事作戦を行わせたいのだろうか?
その大きな理由のひとつが、いわゆる「もっともらしい否認権」である。
民間の工作員を使うことで、ロシア政府は機密性の高い作戦への関与を否定することができる。
プリゴジンの過去も理由のひとつだと専門家は言う。「プーチンは、非の打ち所のないクリーンな評判の人物を好まない。この点からすれば、プリゴジンは理想的な候補者だった」。
何万人ものロシア軍がウクライナで殺害された後、プリゴジンは刑務所でリクルートすることを許された。
彼は自ら多くの刑務所を訪れ、有罪判決を受けた犯罪者に対し、ウクライナでワグネルのために6ヶ月間戦った後、もし生き残れば、無罪放免で家に帰れると約束した。
しかし、ロシアの侵攻が頓挫するにつれ、プリゴジンはロシアの軍事指導部への批判を強めていった。
国防省との関係は悪化し、2023年初めには捕虜の増員を禁じられた。
彼は、国防省がワグネルに弾薬を供給していないと繰り返し主張し、セルゲイ・ショイグ国防相とヴァレリー・ゲラシモフ参謀総長を訴えたこともあった。
解説
ブリゴジンは、まだロシア国民へソーシャルメディアを使って訴えかける手段を保持しています(BBCはロシア政府のIT管理の甘さを指摘しています)。
おそらく彼はプーチンが公表されたくない秘密も握っています。もしプーチンとの全面対決になったときには、どのようなメッセージを出すでしょうか。
プーチンは今は融和姿勢をとっても、秘密を握っているブリコジンを絶対に生かしておきたくないでしょう。
ブリコジンは、プーチンの考え方を知っています。
ブリコジンはベラルーシに行くと報道されていますが、本当に身を守るなら西側への亡命でしょう。
身が安全となったところで、プーチンの悪行を暴露すればよいのです。
そしてウクライナは今の状況を反転攻勢の機会ととらえています。
三つ巴、四つ巴でウクライナ戦争が大きな転機を迎えています――(この記事はメルマガ『在米14年&起業家兼大学教授・大澤裕の『なぜか日本で報道されない海外の怖い報道』ポイント解説』6月25日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はこの機会に初月無料のお試し購読をご登録ください)
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