実は、日本の高齢者は要求水準の点で高いポテンシャルをもっている。
一つは知的レベルの高さだ。
たとえば団塊の世代は、1学年260万人もいて、空前の受験競争を経験している。
確かに、若い人たち(40歳くらいまで)の学力は、すでに韓国や台湾に抜かれているし、シンガポールなどの足元にも及ばない。
ところが、70代、80代の人となると、韓国や台湾、中国には当たり前のように字が読めない人や計算ができない人がいるのに、日本人は難しい読解であれ、数学の問題であれ、やってきた経験がある。
そういう人が要求する製品やサービスのレベルは、当然、ほかの国より高いだろう。
また、今の日本の70代、80代は、高度成長もバブルも経験し、贅沢を知っているし、ハイレベルなものを求めてきた世代だ。
そういう点でも要求水準が高いはずだ。
つまり、高齢者が世界でいちばん賢く、洗練されているのが日本なのだ。
これを活かさないと、たとえば20年後になると高齢者もバカになってくるし、貧乏くさくなってくる。
今がチャンスなのに、政府は高齢者を活かそうとしないし、アホ経営者たちは高齢者を消費者とみなしていない。
前にも書いたが、これだけ高齢者向けの本が売れていても、私に商品開発、サービス開発のアドバイザーになってくれと言ってくる経営者はいない。
実は、AIの時代は、要求水準が高い人間が勝つ時代だ。
スティーブ・ジョブズ型の経営者が求められているし、ドラえもんにお願いするのび太が面白いお願いをしないと話がつまらなくなる。
AIがなんでも考えてくれる時代が間際に迫っているのだから、厚かましい者勝ちだ。
世の中の経営者がバカの巣窟なのだから、私は相続税を100%にするしか、高齢者が金を使ってくれない気がする。
これによって、日本が世界一の要求水準の高齢消費者が金を使うことになるし、金持ちのバカ息子も勉強するようになるだろう。
でも、ウヨクは逆の立場だ。
やはり彼らは、日本を韓国に勝たないように、統一教会に洗脳されているのだろうか?
※本記事は有料メルマガ『和田秀樹の「テレビでもラジオでも言えないわたしの本音」』2023年6月24日号の一部抜粋です。
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