部下を預かった以上、責任を持って育てるのが上司としての役割。しかし彼らが指導のたびに不快な感情を露わにしてくるという場合、上司としてどのように向き合うのが正解なのでしょうか。今回のメルマガ『『ゼロ秒思考』赤羽雄二の「成長を加速する人生相談」』では、世界的なコンサルティング会社マッキンゼーで14年間もの勤務経験を持つ、ブレークスルーパートナーズ株式会社マネージングディレクターの赤羽雄二さんが、読者からの質問に答える形で「正答」を提示。上司として果たすべきミッションをレクチャーしています。
部下のミスが気になり、どうしても注意してしまいます。ただ、注意すると必ずむくれるので何か他の方法を考えたいです。アドバイスお願いします
Question
社会人10年、2社目で、経理部の主任です。最近初めて、部下が3人できました。割と細かいことが気になるほうで、几帳面なためか、部下のミスが気になります。ケアレスミスなどあり得ないと感じてしまいます。
管理職研修などで、部下への注意のしかたなど少し学びましたが、いまいちしっくりきません。部下に注意すると必ずむくれるので、何とかしたいです。2人はそうでもないのですが、一人は非常に感情的です。
赤羽さんからの回答
ご相談どうもありがとうございます。お気持ち、大変よくわかります。初めての部下なので、何をすべきか、何はすべきでないか、何は気にすべきか、何は気にすべきでないかがやや混乱しておられるかもしれません。
大事なことは、このチームとして達成すべきビジョンを明確に打ち出し、そのビジョンを達成するための達成方針を4~6ヶ条明示し、それをチーム全体のアクションに落とし、さらに個人個人のタスクにし、そのタスクには定量的・定性的KPIを設定して合意し、週次のKPI進捗確認会議で進捗確認をして、未達のところは上司が具体的に助言して解決し、KPIの遅れを取り戻してあげることです。
これに加えて、普段からのアクティブリスニング100%とポジティブフィードバック毎日10~15回をしていくことで、チームの雰囲気はよくなり、一人ひとりのモチベーションも高くなります。
ビジョンはパワーポイントの左側に200~300字、パラグラフ3~5個で、達成方針は同じページの右側に箇条書きで書けばいいので、量が大変なわけではありません。
量は大変では全くないのですが、なるほどと思える内容にするために数回書き直す必要があるかと思います。何人にもやってもらいましたが、最初からびしっと書けた方は一人もいらっしゃいませんでした。
こういった上司としての業務指示をしておられますでしょうか。多分ここまでしっかりとはやっておられないですよね。
そういう状況で、部下の態度が悪いと言ってもあまり始まりません。
確かにすねるとか、感情的になるとか、ビジネスパーソンとしていかがなものかとは思いますが、上司としてもいかがなものか、という状況ですので、おあいこです。
まずは、上司としてのミッションを果たしてみてください。
その上で、問題のある部下の成長を促進するような次の手を打っていきます。そのときにも、アクティブリスニングがきちんとできていれば信頼されて話を聞いてもらえますが、できていなければ、さらに反発されるだけです。
要は、上司の姿勢とスキルが鏡のように映し出されるようなものですね。
この記事の著者・赤羽雄二さんのメルマガ
image by: Shutterstock.com