「1度のミスも許さない」。精神科医が白黒思想の人は損をすると考えるワケ

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完璧主義の人、あなたの周りにも多くないですか?その性格は素晴らしい反面、実は損をしていることもあるかもしれません。今回のメルマガ『バク@精神科医の医者バカ話』では、現役の精神科医で内科医としての実績を持つバク先生が、「白黒思考」の人について解説。「勧善懲悪」はあまり得しない…その理由とは?

白黒思想はさっさと辞めた方がいいよってお話

今回のテーマは白黒思考の人はあんまり得しないよというお話です

白黒思想ってそもそも何?

白黒思想というのは言い換えると「勧善懲悪」です。

悪いことは悪いし、良いことは良い!だけではなく、私と仕事どっちが大事なの!と全てが二択になってしまいがちな人も白黒思想かなと思います。

まず第一にお伝えしたいのは「白黒思想が悪い」という訳ではありません。

この世には善悪があるという認識はメチャクチャ大切な感覚です。「これがよい!」「これは駄目!」という感覚が全く無かったら日常生活は成立しないでしょう。

全く無かったら、ね?

ここで私がTwitterでやたらめったら言っている「極論は駄目」って話が噛んできます。

これはよい!!!!これ以外駄目!!!!!!は極論ですし、それで人生の全てをジャッジメントしてたら心が疲れておかしくなってしまう原因になるからね…自ら疲れにいく生き方は辞めた方が良い!!です。

あと、白黒思想の人は割と「1回駄目ってなった人は永遠に駄目」扱いをしやすいです。まぁ嫌いになった人を再度好きになるのは難しいかもしれないけれど、人間はロボじゃ無いので1回や2回はミスをします。

しかし白黒思想の人は「1度のミスを一切許さない」という姿勢で相手をミソクソにけなしたりします。

でも「1度のミス」と判断した行動が実は勘違いだったとしたら?その人は実は白黒思想の人が凄く「良い人!」と判断するような人だったとしたら?

めっちゃ運命の人を逃す原因になるのでもったいないこと極まりないのです。

なので「あ~自分白黒思想かも」と思う人はちょっとだけ「この人は駄目人間だ!絶縁だ!!」と即時ジャッジメントするのを一呼吸おけると良いかもしれません

他者が白黒思想だった場合

白黒思想は「自分は違うから大丈夫だ」とは言えません。あなたがたまたま接触する機会のあった人が白黒思想である可能性もあります。

相手との関係性にもよりますが、白黒思想の人と接触することは何においてもしんどいです。

白黒思想の人は割と最初に友好的な態度を取ってくれることが多い傾向があります(バク調べ)。むしろ最初に思い切り神格化してるんちゃうか!?レベルで接してこられることもあるでしょう。

「あなたみたいに優しい人はいません!」「私、あなたを一番この世で信頼しています!」「大好き!他の人とは大違い!」など初対面で言われることもあるかもしれません。

しかしその後ちょっとでも相手の意に沿わないことを言った瞬間、今までどんなに仲良くしていたとしてもその人の中のあなたに付けられた高得点な感情はガリガリ減点されていき、最後には突然罵詈雑言を食らいまくったあげく、全ての連絡先、SNSなどをブロックしてこられたりします。

これを何の前知識もなく初めて食らうと正直かなりメンタルをやられます。なぜなら白黒思想ではない人からしたら「ここまでするには流石に相当な悪行を積み重ねないとやんなくない!?」という気持ちがあるからです。

しかし白黒思想の人は前述したとおりスタート地点であなたを褒めちぎることが多い、つまり「最初に100点満点を相手に付与」してから人間関係を開始します。

何もやり取りをしていない初対面の時は減点のしようがないし(初対面で何かアウトな行動を取ったら減点されますけど)、嫌な思いもしていないので嫌う理由がありません。しかしちょっとでも嫌だなと思うとどんどん相手につけた点数を減点していきます。

そしてこの減点は人によっては一切加点が無い=好感度の回復は見込めません。

人によっては必死になって相手に許しを乞うかもしれません。だって折角仲良くやれていた時期もあるわけだし、その思い出は楽しかったりするわけで。しかし結局の所は相手はキレたおし、自分もボロボロになり関係は終了することもあるでしょう。

もしも「あれ?この人減点しかしないのでは?」という人とあなたが今後出会ったら、「こんな人もいるんだな」とちょっと覚悟をしておくと突然全てをシャットアウトされてもショックは少ないかもしれませんね。

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