「食事回数を増やさないと必要量のたんぱく質を吸収できない」は本当か?

 

日本列島にヒトが居住し始めたのが38000年前の旧石器時代からです。旧石器時代はとても寒かったので針葉樹しかありませんでした。従って、食糧として手に入ったのは、マンモスやナウマン象、シカ、イノシシ、ウサギなど動物性食品のみでした。植物性食品は自然薯とコケモモくらいしかありませんでした。

すなわち日本人の身体は、肉食に特化して適合しているということとなります。旧石器時代は22000年間続いて、この間に日本人の肉体は形成されたので、スーパー糖質制限食実践で、たくさんの動物性タンパク質を摂取しても、何の問題もないのです。

またたんぱく質は、食事誘発熱産生(DIT)がとても多いです。高蛋白食は、摂食時の食事誘発熱産生(DIT)が通常食に比べて増加します。DITによる消費エネルギーは、実質吸収エネルギーの、糖質では6%、脂質では4%、たんぱく質で30%です。

食事誘発熱産生(DIT)を、もっと簡単に説明すると、食事において、

  • 100キロカロリーの糖質だけを摂取した時は、6キロカロリー
  • 100キロカロリーの脂質だけを摂取した時は、4キロカロリー
  • 100キロカロリーのタンパク質だけを摂取した時は、30キロカロリー

が熱に変わり、消費エネルギーとしてカウントされるということです。

グリーンランドのイヌイットですが、バング、ダイアベルグらの試算によりますと、伝統的食生活の頃(1855年)のイヌイットは、

  • 摂取エネルギー:3202kcal/日
  • 蛋白質:377g(47.1% / 1508kcal)
  • 炭水化物:59g(7.4% / 236kcal)
  • 脂質:162g(45.5% / 1459kcal)

すごい量のたんぱく質ですね。

あとは食事回数ですが、人類は長い間、1日1食か2食だったので、3食食べる必要は全くありません。2食/日で大丈夫です。

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(財)高雄病院および(社)日本糖質制限医療推進協会 理事長。内科医。漢方医。京都大学医学部卒、同大胸部疾患研究所等を経て、1978年より医局長として高雄病院勤務。2000年理事長就任。高雄病院での豊富な症例をもとに、糖尿病治療、メタボ対策としての糖質制限食療法の体系を確立。自らも二型糖尿病であるために実践し、薬に頼らない進行防止、合併症予防に成功している。

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