側近さえも理解不能。プーチン大統領の頭に「終戦」の二文字はあるのか?

Belgrade, Serbia - January 17, 2019 : Vladimir Putin, the President of Russian Federation in press conference at the Palace of Serbia after a working visit - Image
 

国際交渉人が言葉を失った駐英ロシア大使の発言

英国も自国が提供したストームシャドーがロシアの攻撃力を削ぐことに誇りを持つ半面、それがロシア領内に打ち込まれている現実に対して、危機感を強めています(先日、BBCで画面越しに話した駐英ロシア大使がその点を繰り返し言及しており、その際、「自分は分からないが」と前置きしたうえで、「自衛のためにロシアが核兵器を使わざるを得なくなる状況を英国やNATO諸国が作り出している。NATO諸国がロシアを核兵器の使用へ追い詰めているのだ」と言っていたことには、私も言葉を失いました)。

ロシア側についていると思われたアフリカ諸国も、中東諸国も、ロシアに停戦を求めるようになってきていますし、ウクライナ側についているNATO諸国も、ウクライナの反転攻勢を支えると同時に、一刻も早い停戦協議の再開を強く求めだしました。

“外交的努力”が多方面から求められる状況が鮮明になってきていますが、ロシア・ウクライナともに高く掲げた拳を下すことが出来なくなっており、結果、ミサイル・ドローンの撃ち合いという形の戦闘を続け、例えが悪ですが、無味乾燥な殺戮を継続しています。

停戦に向けた要請は高まっていますが、その意思は戦闘の最前線には伝えられず、最前線にいる兵士たちは戦いを続けるほかなく、その結果、無駄に一般市民の生命と生活が奪われ続ける状況が続いています。

政治的なイニシアティブとリーダーシップで停戦合意ができるようなチャンスが訪れるかもしれませんし、私も含めた調停グループはそのバックアップを精一杯するのですが、そこで“合意”された内容が実際に前線に命令という形で伝達され、現場の指揮官を納得させたうえで、やっと停戦、武装解除、動員解除のプロセスが進められるまでには、まだまだ長い年月がかかるような気がします。

ロシア・ウクライナ双方に終戦記念日は訪れるのか?停戦が実行され、戦闘の最前線でDDRが執行される日は来るのか?来るとしたら、それはいつ頃、どのような形式になり、誰がその執行を見守り、確実な実行を保証するのか?

いろいろな問いが噴出してきますが、私たちがこのような問いを出し、答えを探している間にも、戦闘現場では殺戮は続けられ、一般市民の生命が奪われている現実に、何とも言えない感情を抱いています。

国際情勢の裏側でした。

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