維新代表が“高収益”社会福祉法人を乗っ取りか。逃げる馬場氏と橋下・松井・吉村氏のキナ臭い関係

 

不自然な社会福祉法人理事長の交代劇

ところで、馬場氏には政党代表とは別に、大阪府堺市で4つの保育園を営む社会福祉法人「ドレミ福祉会」の理事長という肩書がある。今年6月25日付で、前理事長に代わってそのポストに就いたばかりなのだが、その交代劇にまつわる疑惑を週刊文春が報じている。

文春の記事によると、前理事長は今年81歳になる西侑子氏(仮名)。「ドレミ福祉会」を1980年に設立し、年4億円前後の収入のある法人に育てた人物で、馬場氏を堺市議時代から支持してきたが、何年か前から認知機能の衰えが目立つようになった。

西氏には身寄りがないため、ドレミのナンバー2である業務執行理事をつとめていた馬場氏が、老人ホームを手配して入所させるとともに、法人と個人の両方の銀行通帳や印鑑を管理している。老人ホームの月45万円の支払いも馬場事務所が西氏の銀行口座から出しているという。

問題は、馬場氏にどういう権限があって西氏の資産を管理しているのかということだ。西氏のケースだと、家庭裁判所が関与する成年後見制度を活用して資産や生活の管理をするか、信託会社に依頼するのがふつうだ。ところが、馬場氏はそういう手続きを踏まなかった。

この問題について、今年4月の統一地方選投開票日(前半)の翌日、ドレミ福祉会元理事A氏、西氏と30年来の付き合いがある別の社会福祉法人のB理事長、そして彼らが呼んだ弁護士が、馬場氏とその秘書を相手に話し合った。週刊文春はそのさいの音声データを入手し、記事の中で、発言内容を公開している。下記はその一部だ。

冒頭でA氏が西氏の認知症や要介護3の認定を受けている現状を踏まえ、「後見人をどうするのか」と質問。馬場氏はこう応じた。

 

「個人の財産とかも管理させて頂いています。それについては、西先生から一筆頂いて、やらせて頂いているんで。(略)西先生の今の状況では、成年後見人制度とかを使って、やるということはそぐわないということで」

「一筆頂いて」というのは、任意の財産管理契約を結んでいるという意味らしい。成年後見制度ではないため、適切に財産管理が行なわれているかをチェックする第三者がいないことになる。

B氏が「成年後見人をつけないのはおかしい」と重ねて訴えると、馬場氏は、「西先生の体調含めて、かなり今まで波あったんですね。かなり、正直申し上げて危ない時もあった。体調が良くなってきた時もあった。それとこう、認知とがこう、正比例したり、反比例したりしてきたんで」

西氏の体調や認知機能に大きな波があって判断が難しかったということだろうか。これでは、成年後見人をつけない理由にはなっていない。

最後に、弁護士が「馬場事務所が西氏の財産を管理している現状では、本人への報告義務含め、不明瞭な点が多い」などと指摘。B氏も「明確にしたほうがいい」と求めると、馬場氏は、「そらそうですね」

「そらそうですね」と言うのなら、一刻も早く、誰の目にも公正なやり方に変えるべきであろう。文春の記者の直撃に対し、馬場氏は「あなたに答える必要はないから」と、説明を拒否したようだ。

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