米国がロシアの味方に?大国の「覇権放棄」によって世界は“動乱時代”に突入する

 

欧州内部からの援助に頼るしかなくなるウクライナ

ゼレンスキー大統領は、欧州を歴訪して、航空機や他の装備の提供をお願いし始めている。米国が、2024年中ごろには、大統領選挙の関係で、援助できなくなることが見えているので、欧州各国からの援助物質に頼る必要が増すことになる。

日本も武器の援助をウクライナにする必要があり、武器輸出の基準を緩和する必要になっている。

米国の国内分断の影響が、ウ軍の戦略や戦術に大きな影響を与えている。

チェコから供与されたクーブ防空システムを使用開始したし、ギリシャは、自国内の防空システムであるソ連製のTOR-M1(SAM)と、Osa-AKMをウクライナに供与するとした。欧州内部からの援助に頼るしかなくなる。

オランダはほぼすべてのF-16戦闘機をウクライナに引き渡すようであり、ウ軍パイロットの訓練のために数機を維持するとオランダ国防大臣のカイサ・オロングレン氏は述べ、F-16の42機のほとんどをウ軍に提供するという。

そして、ロ空軍パイロットが、ウクライナにMi-8軍用ヘリで、ハリキウ州内の空港に亡命した。ロ軍内に充満する厭戦ムードだけは間違いないようだ。

学徒動員も開始。太平洋戦争当時の日本と同じ道を歩むロシア

プリゴジンの乗った小型航空機が墜落して、プリゴジンとワグナー創始者ドミトリー・ウトキンと物流・安全部門責任者ヴァレリー・チェカロフが死亡した。プーチンは、裏切者を暗殺した。機の残骸からロシアのS-300防空ミサイルと一致する部品が出ている。

この暗殺成功で、クルスクに居たプーチンは、急遽、モスクワに戻った。

これに対して、ワグナー軍の一部からは、プーチン政権に報復するため、モスクワへの「正義の行進」を求める声がでている。そして、ベラルーシからワグナー軍は居なくなっている。

これに対してプーチンは、ワグナー軍戦士の墓地を取り壊して、ワグナー軍とプリゴジンをなかったことにするようだ。

プーチン政権は、ロシアの労働者不足に対処するため14歳以上の未成年者の労働促進を指示した。学徒を工場に動員である。徐々に太平洋戦争当時の日本と同様なことになってきた。

というように、ロシアは、劣勢に立たされている。この状況は、日本が中国の戦いで勝っているのに、劣勢に立たされていた1937年から始まる日中戦争と重なる。日本はドイツとの共闘に進み、ドイツは1939年にポーランドに侵攻して、第2次大戦になる。

これを同じことが始まっているように見える。ロシアが中国の戦争を望んでいるからだ。しかし、中国が戦争を開始したら、第3次世界大戦になる、地球上の人類は大きな苦難を味わうことになる。

その様にならないためには、中国の自制が必要になる。この自制を起こしているのは、米軍力であるが、米国が自国内に閉じこもり、軍事力の削減をすると、これからも自由になる。トランプ主義者たちは対中強硬派であり、当分大丈夫だと思うが、トランプが当選した時点でどうなるのか分からない。

世界動乱の時代が来ている。

さあ、どうなりますか?

(『国際戦略コラム有料版』2023年8月28日号より一部抜粋、続きはご登録の上お楽しみください。初月無料です)

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