相手の話をただひたすら聞き続けずに、相手が伝えたい本質的な事や感情を汲み取って主体的に内容を把握する「アクティブリスニング」。そのアクティブリスニングと営業トークを両立させるにはどうしたらよいか、そんな悩みに、メルマガ『『ゼロ秒思考』赤羽雄二の「成長を加速する人生相談」』著者で、世界的なコンサルティング会社マッキンゼーで14年間もの勤務経験を持つ、ブレークスルーパートナーズ株式会社マネージングディレクターの赤羽雄二さんが、的確なアドバイスしています。
事務機器の営業をしています。 アクティブリスニングをしようと思いますが、 自社製品の優位性を伝える必要もあり、 また競合製品についての把握もしたいので、 どうしても話してしまいます。 どうやったら効果的な営業をしつつ、相手の話を聞けるでしょうか?
Question
事務機器の営業を7年担当しています。アクティブリスニングの重要性を聞いたので実施しようと思うのですが、自社製品の優位性を伝える必要もあり、どこまで話すべきか、どこまで聞くべきかいつも迷います。聞いていると延々と話されてこちらで話す時間がなくなってしまいます。面談時には競合製品についてもできるだけ聞き出したいのですが、そうなるとあれこれ質問をしてしまったりして、言われているような感じに話が広がっていきません。どうやったらうまくバランスを取れるでしょうか。
赤羽さんからの回答
ご相談どうもありがとうございます。アクティブリスニングをしようとされているとのこと、素晴らしいです。アクティブリスニングを本気でマスター、体現されれば、仕事もプライベートも劇的に改善していきます。
さて、営業トークとアクティブリスニングをどう両立させるか、というのがご質問の骨子のようにおもいます。
これは矛盾することでも何でもありません。2つの全く別のものですし、一緒にやろうとしてもうまくいくものではありません。
まずは相手の話を徹底的に聞きます。真剣に、全身全霊で聞きます。すぐ話してくれないことも多いと思いますが、その姿勢を本気で見せ続ければ、必ず話し出してくれます。
人間なので情にほだされることもあるでしょうし、人間なので感情の波があり辛くて人に話を聞いてほしいこともあるからです。上司に無茶を言われたとか、同期が先に昇進したとかですね。
それまで数ヶ月かかるかもしれません。重要顧客候補で月1回何とか15分時間を取れている状況で1年以上時間がかかることもあるかもしれません。
それでも、どんなときにもアクティブリスニングを続けていれば、必ず心を開いてくれるときがきます。
そのときに、話を聞かせていただきます。
それまで営業トークなどいくらしても無駄です。そもそも聞いてくれませんし、聞いたふりをして双方の時間を無駄にするだけです。
営業は短期勝負ではなく、せめて中期的な観点から「仕込み」「仕切り」「仕上げ」をすべき、典型的な戦略的業務ではないでしょうか。
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