政権与党の不利となる報道を行わないことから、「マスゴミ」と揶揄されることも多々ある大手メディア。その実態は我々が思っている以上に腐り切ったもののようです。今回のメルマガ『和田秀樹の「テレビでもラジオでも言えないわたしの本音」』では現役の精神科医で作家の和田秀樹さんが、マスコミによる報道被害者から直接耳にしたメディアの無責任極まる取材法を紹介。その上で、政府や警察のスポークスマンに成り下がったかのような彼らの姿勢を強く批判しています。
裏を取らないクズマスコミ
人間というのは、その立場にならないとわからないことがいっぱいあるようだ。
自分が患者になってみないと、日本の医者がどれだけ傲慢かはわからない。
性被害を受けてみないと、日本の警察が性犯罪にいかに手抜きなのかはわからない。
あるいは、マスコミの報道被害にあってみないと、マスコミがどれほどいい加減な報道をするかはわからない。
たまたま、性被害に遭った人や、マスコミの報道被害に遭った人と、食事を一緒にする機会があって、それを実感した。
私も日大の執行部にいることでマスコミのいい加減さがよくわかった。
警察からあれこれと指導を受けてしたことが、マスコミに叩かれると警察は言い分をころころ変える。
ところが、その時には、マスコミに「捜査関係者によると」という形で、警察はでまかせなことを言う。
そして、マスコミは裏付けも取らずに、それをそのまま流す。
そのマスコミの報道被害に遭った人も、同じ目にあったようで、「捜査関係者によると」というのは、基本的に嘘とまで言い切っていた。
前回も問題にされた日大で警察に事情を話に行った人間が全員犯人扱いされたフジテレビの報道は、まったく裏付けを取っていなかった。
その後、ラグビー部の中でいじめがあったようで、父兄がかなり立腹されているのだが、第三者委員会の報告を発表するために、その父兄の許可を取ろうとするのだが、会ってもくれない。
ところが、その父兄がマスコミに、自分たちの主張をそのまま伝える。
もちろん、第三者委員会のいろいろと客観的な証拠やあちこちの証言をもとに作った報告書と内容が違うのだが、父兄のサイドの受け止め方なのだから、それは仕方のないことだというのはわかる。
ただ、テレビや新聞のようなちゃんとしたメディアが、裏付けも取らないで、そのままそれを事実のように報じるのはいかがなものか?
彼らは報道機関と言えるのだろうか?
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