ガーシー被告の裁判でバレた芸能界の闇。綾野剛1本5000万円CMと“違約金”の生々しさ

 

著名人らを脅迫したなどの疑いがあるとして、滞在していたUAEから帰国し逮捕されたガーシー被告の初公判が開かれました。今回の裁判で、芸能記者歴30年のベテランジャーナリスト・芋澤貞雄さんが注目したのは、どうやら暴露の内容よりも、訴えた側の俳優・綾野剛の所属事務所会長による生々しいCM違約金の実態だったようです。

東谷“ガーシー”義和被告の裁判で見えてくる“芸能界の闇”

ガーシー元参院議員こと東谷義和被告の初公判は、芸能記者にとって注目の裁判でした。

週刊誌記者駆け出しの頃の私は、記事に関連する裁判が開かれる度、傍聴席整理券を手に入れるため、朝早くから出掛けて行ったものでした。

同じ様に駆り出された他社の仲間と、抽選で当たるか当たらないかはとりあえず置いておいても

「何枚獲れた?」
「うちは〇枚」
「こっちは…」と一喜一憂したことを昨日の事のように思い出します。

傍聴席の女神(いればの話ですが…)が微笑んでくれれば、誌上で“本誌記者が目撃した…”というタイトルの、注目裁判傍聴レポート記事が掲載されるわけです。

東谷被告の裁判で私の耳が思わずダンボになったのは、綾野剛が所属する事務所『トライストーン・エンタテイメント』前社長で現・山本又一朗会長が被害内容を詳細に明かしたシーンでした。

山本会長が綾野のCM出演料が5,000万円と明言したのには正直驚きました。

いわゆるタレントのCMギャランティとして各メディアがよく記事にするのをご覧になっている方もいらっしゃると思います。

実際に交わした契約書が公表されない限り、結局噂の域を出ることはないのですが、そこで綾野は3,500~4,000万円とされていたのが今まででした。

“へぇ~…意外と貰ってたんだ…”が私の正直な感想でした。

『仮面ライダー』から始まって『新宿スワン』、『コウノドリ』…コツコツとクオリティの高い作品を視聴者に提供してきたそのキャリアが、クライアントにこういう形で評価されたということでしょうね。

山本会長の供述は続きます。

CM契約料の3割にあたる金額が不祥事を理由に返金しなければならず、そのCMのイメージキャラクター就任期間も5ヶ月から3ヶ月に短縮されてしまったという事も明らかになりました。

以前から広告代理店関係者からは「タレントとのCM契約は凄く複雑」だというのは聞かされていましたが、それが具体的に公になったことは私にとって新鮮な驚きを覚えました。

これはあくまでも私個人の推測ですが、綾野が東谷被告を刑事告訴したことは“スキャンダルの責任は100%私ではありません!”と主張したかったのでしょうね。

それにしても“契約料の3割”という数字の根拠はどこにあるのでしょう。

細かい契約ではおそらくそのスキャンダルの性質によってもこの“割”は違ってくるのでしょうが、いわゆる“違約金は100か0”とほぼほぼ信じてきた私には、この3割という数字がとてもミステリアスなものに見えてきます。

今回の山本会長の供述は、“性加害”問題で揺れる『ジャニーズ事務所』においてもとても参考にできるものだと思います。

“違約金”と“契約更新せず”はまた発生する数字が違ってくるとは思いますが、面白おかしくー

“綾野のスポンサーへの違約金は数億円!”

“性加害問題による契約解除やスポンサー撤退による賠償は数十億? 数百億!”

大々的に報じてきた各メディア、芸能マスコミも反省する必要があるように思いました。

もちろん私も同様です…。

山本会長の供述でもうひとつ、芸能記者たちの首を傾げさせたのは“CMキャラ就任期間の短縮”です。

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