韓国から産婦人科医が“超高速”で減り続けている。原因は「制度と訴訟」か?

 

彼らが苦労して選んだ産婦人科に背を向ける理由は、いわゆる「ワークライフバランス」を取ることができない産婦人科の特性もあるが、最大の理由は不可抗力的分娩医療事故に対する訴訟にある。

江東慶煕大学病院産婦人科のソル・ヒョンジュ教授が2020年12月から2021年1月まで産科教授120人、4年目の専攻医82人、専任医28人にアンケート調査を実施した結果、4年目の専攻医および専任医の47%が「専門医取得および専任医修練以後は、分娩を担当しない」と答えた。彼らが産科をあきらめる理由の79%は「分娩関連医療事故の憂慮および発生に対する心配」のためだった。

ソル教授は「産科を選ぶと答えた場合にも、現在分娩を行うのに最も心配な部分として75%が分娩関連医療事故の懸念及び発生を挙げた」とし「若い医師の最大の悩みは分娩関連医療事故とこれによる医療訴訟のストレスだった」と述べた。産婦人科を選んで修練病院で大変な時間を耐えて修練をして去る医師の数が多くなるということは、それだけ教授の数も減るということだ。

実際、医療現場ではこのような空白を自ら感じている。大韓産婦人科学会によると、2004年に259人だった新規産婦人科専門医は今年102人と、20年ぶりに半分以下に急減した。全国95の修練病院に勤める産科教授は125人に過ぎない。専攻医を指導する専任教員が修練病院に1.3人しかいないという意味だ。

オ・スヨン教授は「総合病院(修練病院)では産科教授が4人程度でなければ後輩を養成し、医療の質も高めることができないが、現在専任医のいない病院が全国修練病院の3分の2に達する」とし「現場の状況を見ると、ただもどかしい」と吐露した。

産婦人科を専攻し、修練病院で患者を相手に多様なケースを経験し、熟練度を積んでいく医師がいないということは、結局新しく入ってくる医師を教育する医師がないという意味だ。

ペ・ジンゴン教授は「医療行為は単純に本を読んで学ぶことだけではない」とし「熟練した医師がいないという話は本当に危険な問題を解決できる方法を見つけられないという話だが、文字通りめちゃくちゃな状況」と声を高めた。

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