突然の攻撃を仕掛けてきたハマスに対し、彼らが実効支配するパレスチナのガザ地区に猛烈な空爆を開始したイスラエル。そんなイスラエルが12日、シリアの空港にも空爆を行ったとのニュースが飛び込んできました。今回のメルマガ『ロシア政治経済ジャーナル』では、国際関係ジャーナリストの北野幸伯さんが、イスラエルがシリアを攻撃した理由を紹介するとともに、彼らの「真の標的」を考察。さらに中東での紛争の拡大が日本に及ぼす影響について詳しく解説しています。
イスラエルがシリアを空爆、真の狙いはイラン核施設破壊か
全世界のRPE読者の皆さま、こんにちは!北野です。
皆さんご存知のように、ガザ地区を支配するイスラム組織ハマスは10月7日、イスラエルに大規模攻撃を行いました。そして現在、イスラエル軍は、報復を行っています。現在は空爆がメインですが、近い将来地上戦がはじまるでしょう。イスラエル軍はガザ地区に陸軍を投入し、ハマス壊滅を目指します。
ところで、イスラエル軍は10月12日、シリアを空爆しました。『朝日新聞DIGITAL』10月13日付。
シリアの首都ダマスカスと北部アレッポの空港に12日、イスラエル軍のミサイルによる同時攻撃があり、滑走路が使えなくなった。シリアの国営通信が伝えた。イスラエル軍は10日、シリア側からイスラエルへの攻撃があったとしていた。
「シリアがイスラエルを攻撃したので、報復した」とのことです。
現在は、主に「イスラエル 対 ハマス」の戦いです。しかし、イスラエルの北の隣国レバノンのイスラム組織ヒズボラとの戦闘も始まっています。さらに、シリアがイスラエルを攻撃したとのこと。
そして、ハマス、ヒズボラ、シリアの背後にいるのがイラン。イランにとても近いのがロシア。ロシアは、イランからドローンを輸入している。そして、2011年にはじまったシリア内戦では、ロシアとイランがシリア・アサド政権を助けました。
「黒化勢力」の枢軸は、中国、ロシア、イラン、シリア、ヒズボラ、ハマスとつながっています。だから、イスラエルとハマスの戦いは、「大戦争」に転化する可能性があるのです。