日本保守党トンデモ重点政策の噴飯。ヘイトに名古屋城の木造復元、宮家と旧宮家の養子縁組…

 

「朝鮮人ヘイト」を撒き散らす迷惑な荒川区議の主張

その他の重点政策には、「憲法9条改正(2項の一部削除)」「消費税減税」「入管難民法の改正と運用の厳正化」など、自称保守派が本来目指していたものの、安倍晋三を愛してしまったがゆえに、ほとんど忘れたふりをしてごまかしてきた項目が並んでいた。

また、国会議員が親から地盤を引き継ぐ「世襲」であることに強い反発があるようで、「議員の家業化をやめる」という主張に重きを置くらしい。

岸信介、佐藤栄作、安倍晋太郎など政治一家から輩出された安倍晋三を、一体どう捉えているのか、小一時間、問い詰めたい。

こう眺めると、日本保守党は、実は「安倍晋三アンチ」なのかもしれない。

大ファンで、愛してやまないはずの安倍晋三に、たびたび裏切られ続け、実は心の底に不満が渦巻いており、その愛憎が「日本保守党」という表現になったのか?

日本保守党=「安倍愛憎の結晶」説。

はやく自由になれるといいね。

さて、そんな17日の結党後には、東京都内で記者会見が行われた。

会見には百田尚樹、有本香のほか、減税日本の河村たかしと広沢一郎、そして、無所属から日本保守党結党メンバーとなった東京都荒川区議の小坂英二が登壇した。

質疑応答に挙手したメディアは、産経新聞、ニコニコ動画、フリーライター、スポーツ新聞、名古屋と大阪の地方局などで、大手マスコミは出席していたのかどうかもわからなかった。

この会見に登壇している荒川区議の小坂英二もまた、ものすごく迷惑な人物だ。

区議20年目の50歳で、「タブーに斬り込む」を売りにしてきたらしいが、やってきたことはというと──。

「日本のパチンコ店の3~4割を経営しているのは在日朝鮮人」という理由から、「パチンコ違法化・大幅課税を求める議員と国民の会」を立ち上げ、延々と「パチンコ撲滅運動」「朝鮮学校廃絶」「在日特権を許さない」を訴えまくり、排外主義の代表格である「在特会(在日特権を許さない市民の会)」とも協力しながら、在日朝鮮人ヘイトに血道を上げてきたという、“ネトウヨ代表”のような人物なのである。

和装で記者会見に登壇した小坂は、「素晴らしい日本の縦糸を、守り引き継ぐなかで築き上げられてきた日本文明」とキレイな言葉を並べたあと、「反社会的な朝鮮学校への補助金、カルト宗教やパチンコ依存症による大量の不幸の生産に目を背ける政治」など自身の思いを訴えて「保守」を自称した。

パチンコ店は、コロナで4社に1社が消滅し、総売上高は過去3年で5.2兆円も減ったのだが(帝国データバンク)、まだまだ叩きたいらしい。

いろいろ言葉で飾っても、言いたいことは、結局「在日朝鮮人ヘイト」でしかないので、保守にとっても和服にとっても迷惑なことだと思った。

さらに驚いたことに、小坂は、SNSにこんな内容を投稿している。

「関東大震災時に乗じて朝鮮人が井戸に毒を入れようとした」という話が流言飛語の代名詞として使われることすらありますが、「流言」ではなく「事実」であったことを日本人は知らねばなりません。


当時流された朝鮮人の震災下での凶悪犯罪やテロ活動の話。それは嘘や伝聞での拡張も含まれていましたが、実は真実が多数有りました。
(日本保守党・小坂英二区議)

これは100年前の文章ではない。

2023年8月30日、小坂が、百田新党の結党メンバーになることを宣言する前日に投稿されたものだ。

「関東大震災の直後『朝鮮人が井戸に毒を入れたらしい』という根拠のないうわさが広まり、恐怖に駆られた日本人によって多くの朝鮮人が殺傷された。だが、実際に井戸に毒を投入された事実はなく、目撃者もおらず、うわさはすべてデマだった」

これは、日本人の常識だ。

この記事の著者・小林よしのりさんのメルマガ

購読はこちら

print
いま読まれてます

  • 日本保守党トンデモ重点政策の噴飯。ヘイトに名古屋城の木造復元、宮家と旧宮家の養子縁組…
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け