では、どうすればチョコザップのように、痒い所に手が届くように、顧客がなんとなく感じている潜在的なニーズに、気がつくのでしょうか?
まず、自社の事業の定義を、「うちの会社はジムを運営する会社だ」としていると、こうした発想は出てきません。
「もっとマシンを増やそう」
「人員を増やしてサービスを拡充しよう」
「ポイントカードを初めて囲い込みだ」
となってしまいがちです。
チョコザップは、自社の事業を次のように定義しています。
chocoZAP(チョコザップ)は,誰もが運動を継続しやすく、効果を実感できる、「簡単」「便利」で「楽しい」、コンビニジムです。(以上、ホームページから引用)
コンビニという言葉が表すように、健康や肉体の強化、という価値だけでなく、便利さとか、気軽に使えることを、顧客価値として提供しています。
顧客価値は、顧客が得る(=ゲイン)ことができる、利益(=ベネフィット)と、顧客が失う(=ペイン)、犠牲(=サクリファイス)の、割り算です。
ゲインが多ければ、顧客は満足しますし、ペインが少なくても価値を感じます。
逆にペインが多ければ、顧客は価値を感じず、選ばれないのです。
チョコザップの場合、ペインに感じている、
「しっかりと鍛えるのは面倒だ」
「もっと気軽に通えるといいのに」
といった潜在ニーズを捉え、いち早く事業のコンセプトを固め、コンビニジムとして展開しているのです。
顧客が潜在的に感じているニーズは、顧客に聞いても出てきません。
潜在ニーズを見つけることが、市場機会の発見につながるのです。
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