先日公開した「金正恩と会ったのは“影武者”か?プーチンに囁かれる「年内死亡説」の真偽」で、プーチン大統領の健康不安説を取り上げたばかりの、メルマガ『ロシア政治経済ジャーナル』著者で国際関係ジャーナリストの北野幸伯さんですが、その続報とも言うべき記事を配信。そこには、プーチン氏の「影武者疑惑」どころか、10月26日にプーチン氏がすでに死亡していたとする情報をあげて、その真偽について検証しています。
【仰天】プーチンは10月26日に死んだ説
10月27日号は『プーチン「心停止説」と「影武者説」』でした。
今度は、【 プーチンは死んだ説 】がでてきました。
この説を流しているのは、「心停止説」と同じ、「SVR将軍」です。
SVRというのはロシアの「対外情報庁」のこと。
元SVRの幹部ビクトル・ミハイロビッチ(仮名)が、「クレムリンのインサイダー情報を暴露する」というポジションで情報を発信しています。
今回の元の出所は↓になります。
内容を要約しようかと思ったのですが。
イギリス在住の国際ジャーナリスト木村正人先生が詳細な訳を出してくださっていました。
● 匿名SNS発の「プーチン死亡説」に世界の大衆メディアが飛びつく理由
一部を転載させていただきます。
〈暗号化メッセージアプリ「テレグラム」の匿名チャンネル「対外情報局(SVR)将軍」は26日
「注意! 今この瞬間、ロシアで“クーデター”が進行中だ。ウラジーミル・プーチン露大統領は今晩、ロシア北西部の保養地バルダイの大統領邸で死亡した。
モスクワ時間午後8時42分、医師は蘇生を中止し、死亡を告げた」
と速報した。「SVR将軍」によると、医師団はプーチン大統領の遺体が横たわる部屋でロシア連邦警護庁のドミトリー・コチュネフ長官の個人的な命令で大統領警護官に拘束された。
コチュネフはシロビキ(治安・国防関係の国家主義者)の実力者、ロシア連邦安全保障会議のニコライ・パトルシェフ書記と連絡を取り、指示を受けている。
大統領府の警備は強化されている。「積極的な交渉が行われている。プーチンの死後、ドッペルゲンガー(影武者)を大統領にすり替える試みはクーデターだ」(SVR将軍)。
翌27日には「昨日午後、プーチンの健康状態が急激に悪化し始めた。午後8時ごろ、当直医が医師団を追加招集し、到着15分後にプーチンの蘇生処置を開始したが、その時点で危篤状態に陥っていた」と詳報した。
午後8時42分、医師は蘇生を中止し、プーチンの死亡を告げた。
その後、警護官に事態を報告した。
コチュネフの個人的な命令で、プーチンが死亡した集中治療室に改造された一室は封鎖された。
医師団はプーチンの遺体と一緒に閉じ込められたままだった。
警護当局は医師団に落ち着いて静かに待つように命じた──「SVR将軍」はそう報告している。
「コチュネフはパトルシェフの指示を実行している。コチュネフの指示により大統領の影武者の警備も強化された。
現在、医師団の運命も含め、問題は解決されつつある。
現体制を維持し、影武者を大統領としてプーチンにすり替えるため、パトルシェフの指導の下、プーチンの側近による集団指導体制を構築する交渉はほぼ終了した」(SVR将軍)
「プーチンが生きていた時は何の問題もなく影武者を使うことができ、極端な場合、本物を登場させることができた。しかしプーチンの死後、影武者を大統領として詐称しようとする試みは国家革命だ!
プーチンの遺体は大統領邸の以前は冷凍食品が保管されていた冷凍庫に安置された。
医師団はいくつかの部屋に分けられ、拘束され続けている」(同)〉
とのことです。
最重要ポイントを挙げると
- 10月26日、プーチンは死亡した。
- プーチンの死後、パトルシェフ安全保障会議書記が実権を握った。
- パトルシェフは、プーチンの死を隠し、影武者にプーチンを演じつづけさせるよう画策している。
実際は、どうなのでしょうか?
この説のある面「都合のいい」ところ。
私たちは、プーチンと影武者を見分けることができないことです。
先日、『ニューズウィーク』や「TBS NEWS DIG』も影武者について報じているという事実を書きました。
参照↓
● “あの時”のプーチン氏はニセモノだった⁈影武者の真偽AIが分析 【報道1930】
● 本物のプーチンなら「あり得ない」仕草……ビデオに映った不可解な行動に、「影武者説」が再燃
特にTBSは、AIによる鑑定について、
〈結果は、2023年4月のヘルソン訪問時のプーチン氏…“本人との一致度”40%。
2022年12月のクリミア橋視察…53%。
この2つが特に低かった。
因みに偽者であることが分かっている“プーチン氏のそっくりさん”を調べたところ一致度35%だった。
つまり、ヘルソンに現れたプーチン氏は“そっくりさんレベル”だったということになる。〉
とかなり興味深い内容を報じていました。
今回の話は、本当なのでしょうか?
ウソなのでしょうか?
本当だとしたら、影武者プーチンが、プーチンを演じつづける。
でも、私たちは、影武者プーチンを「偽物」と認識できない。
ウソだとしたら?
本物プーチンが、今までどおり執務を続ける。
しかし、SVR将軍は、「あれは影武者だ」と主張しつづけることができる。
ということで、私たちにとっては、「何の変化も起こらない」ということになります。
「トンデモ系」のような話ですが。
「SVR将軍」は2021年秋時点で、「来年の2月プーチンはウクライナに侵攻する」と予測し、見事に当てていました。
世界中のメディアが、彼の言葉を引用するのは、それなりの実績があるからです。
非常に興味深い話ということで、ご紹介させていただきました。
今回は、木村正人先生の記事から転載させていただきました。
全文も是非ご一読ください。
● 匿名SNS発の「プーチン死亡説」に世界の大衆メディアが飛びつく理由
(無料メルマガ『ロシア政治経済ジャーナル』2023年10月29日号より一部抜粋)
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