安倍氏が自民にスカウトした“ネトウヨのマドンナ”杉田水脈とはいったい何者か?

 

故・安倍晋三首相の目に留まり、自民党に引っ張られた!

こうした活動が、故・安倍晋三首相との交流につながります。

もともとの地盤だった兵庫県から、とっとと自民党に鞍替えし、縁もゆかりもないのに、安倍氏の地元・自民党の山口県連に加えてもらったのでした。

そして、杉田水脈氏は、2017年10月に行われた衆議院議員選挙に自民党の比例中国ブロック名簿の最上位に登載され、所属政党を換えて、2度目の当選を果たすことになるのでした。

さらに、次の2021年10月の衆議院議員選挙においても、自民党の比例中国ブロック名簿では単独登載され、3期目の当選を飾っていたのでした。

2017年の選挙といい、2021年の選挙においても、いずれも小選挙区からの出馬はないのです。

自民党が圧倒的に強い保守王国といわれる比例中国ブロック(鳥取、島根、岡山、広島、山口)から出馬させてもらえる──という、これだけでも杉田水脈氏が自民党内において、いかに優遇されてきた存在であるかが窺えるでしょう。

ここにきて一躍自民党のマドンナになってしまっていたのです。

とまれ、故・安倍晋三氏の強力な後ろ盾があったがゆえに、杉田水脈氏は、これまで議員活動を続けてこられたともいえるわけです。

しかも、この杉田氏は、いろいろ問題発言をやらかすたびに、世間からは注目を集め、なんと自民党内では快進撃の出世を続けてきたのです。

2022年8月12日には、第2次岸田文雄内閣の改造人事において、杉田水脈氏は総務大臣政務官に任じられます。

この時、杉田氏は名誉棄損で訴えられ、係争中の身だったにもかかわらずです。

それは、故・安倍首相と昵懇だった当時のTBS政治部記者・山口敬之氏による性暴力被害に遭った伊藤詩織さんから訴えられた裁判のことでした(山口氏には同意なき性行為があったとして332万円の賠償命令判決が確定)。

伊藤さんを誹謗中傷するツイッターへの投稿25件に対して、杉田氏が「いいね!」を押していたことが東京地裁で「名誉棄損」にあたるかどうかが争われていた最中だったのです。

ゆえに、岸田首相の杉田氏の政務官任命の判断には驚かされたのです(東京地裁は10月22日に名誉棄損として杉田氏に55万円の賠償を命じましたが、杉田氏は11月2日判決を不服として上告しています)。

そして岸田首相は、杉田氏を総務大臣政務官に任じたことを国会でもとことん擁護します。

野党は、杉田氏の政務官としての資質を問題視したのですが、岸田首相は、杉田氏の任命は「人事は適材適所」「職責を果たす能力をもった人物」などと反論を続けたのです。

とはいえ結局、杉田氏は、昨年12月27日に自ら辞表を提出して政務官を辞めざるをえない羽目に陥っています。

しかしながら、またしても自民党は、今年9月29日の総務会で、自民党環境部会長代理に杉田水脈氏を起用したのでした。

これまた、自民党はどうなっているのだ?──と物議を醸しましたが、そのまま通っています。内閣での公職ではなく、党内人事だからです。

これが、自民党流の「女性活躍」の本懐だった──というわけなのでしょう。

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