うつ病や統合失調症などの精神疾患がある人は「脂質に変化」研究で判明

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正常な人と精神疾患を持っている人では、体内で何か違いが表れるのでしょうか。今回のもりさわメンタルクリニックの無料メルマガ『精神医学論文マガジン』では、その違いの一つとして『脂質の変化』に注目した論文を紹介しています。

統合失調症、うつ病、双極性障害における脂質の変化

昨日は、血痕中のバイオマーカーを用いて、うつ病(状態)の双極性と単極性を見分けることができないか調べた研究についてお伝えしました。

今回は、統合失調症を含む主な精神疾患について、血液中の脂質変化を調べた研究をご紹介します。

Lipid Alteration Signature in the Blood Plasma of Individuals With Schizophrenia, Depression, and Bipolar Disorder
統合失調症、うつ病、双極性障害における脂質の変化

統合失調症、双極性障害、単極性うつ病と診断された980人(平均36歳、52%が男性)と正常対照群として572人(平均34歳、56%が男性)が対象となりました。

結果として、以下の内容が示されました。

・77種の脂質について(今回対象となった全ての集団において)、統合失調症で明らかな対照群との違いを認めました。

・双極性障害、単極性うつ病においても、(診断に関わらず)同様の脂質変化を認めました。

要約:『主な精神疾患において、多種の脂質における変化を認める可能性がある』

薬剤の使用に関する調整をした後でも、脂質変化は認められており、主な精神疾患全体に関して、何らかの脂質代謝に対する影響が考えられました。

image by: Shutterstock.com

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【著者】 もりさわメンタルクリニック 【発行周期】 日刊

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