選挙の臨戦態勢を取っていた創価学会
岸田文雄総理は今年夏の通常国会明けに解散と総選挙を想定していた。公明党も維新との対抗でそう望んでいた。
実際に支援団体の創価学会は夏からつい最近まで選挙の臨戦態勢を取っていた。組織は北海道から沖縄まで13の方面がある。とくに兵庫に2区と8区は1996年に小選挙区制になってから、2009年の政権交代選挙での8区を除けば公明党が勝ってきた。
大阪と同じく創価学会にとっては「常勝関西」なのだ。だから公明党=創価学会は維新が候補者を立てる兵庫で浸透が進まないうちに総選挙をやってもらいたかった。
「12月10日」「12月17日」と具体的な投票日まで創価学会は想定していた。
ところが岸田首相はまったく煮え切らない。所得減税の経済対策を打ち出しても、支持率は上がらないどころか低下していった。
2000年の森喜朗政権のときには支持率が16%台にまで低下した。それでも解散、総選挙を行ったが自民党は微減で済んだ。世論調査一般と現実の投票行動は違う。あとは総理の覚悟なのだ。
岸田総理にはそれがない。野党の候補者擁立が進まず、連携が取れていないいま。挑戦無くして勝利なし。岸田総理にはこれからも厳しい道が続く。
2024年、自民党を襲う大スキャンダル
公明党=創価学会だけではない。来年になると自民党に大スキャンダルが襲う気配がある。
派閥パーティーで得た資金を政治資金規正法で適正に報告していないことを指摘され、東京地検に告発されている問題があるからだ。
1回のパーティで20万円を超える購入者を収支報告書に記載することは義務付けられている。2018年から21年では5派閥で約4,000万円が記載されていなかったことが明らかになったのだ。
清和政策研究会(安倍派)約1,900万円、志帥会(二階派)約950万円、平成研(茂木派)約600万円、宏池会(岸田派)約200万円。パーティ券を購入した団体が収支報告書に記載しているのに、買ってもらった団体が記載していないのだ。
昨年12月に薗浦健太郎議員(当時)が、政治資金の過少記載で略式起訴され、公民権停止となったように、悪質なケースは立件される。
この疑惑を知った岸田総理は年内解散に進まないと来年は危険だと判断した時期があった。しかし解散を断念した。
来年9月の総裁選までに総選挙に打って出ることを総理なら考える。1月の通常国会冒頭は難しい。6月の会期末なら東京都知事選と重なる。そうすると予算成立の3月末が想定される。そこで覚悟できないならば、岸田退陣の動きは加速する。
(この記事は、メルマガ『有田芳生の「酔醒漫録」』2023年11月17日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はこの機会にバックナンバー含め初月無料のお試し購読をどうぞ)
この記事の著者・有田芳生氏のメルマガ
image by: 首相官邸









