統一教会の被害者が受けた精神的大ダメージ。一生忘れぬ「日本宗教連盟の言葉」

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13日に参院本会議で可決・成立した、旧統一教会の被害者救済に向け教団の財産監視を強化する特例法案。しかし多くの被害者が希望した、野党提出の「包括的財産保全法案」は自民党の反対により否決となりました。この法案を巡る審議の中で、与党議員が繰り返し取り上げた「日本宗教連盟」の言葉を否定的に紹介しているのは、かつて旧統一教会の信者だったジャーナリストの多田文明さん。多田さんはメルマガ『詐欺・悪質商法ジャーナリスト・多田文明が見てきた、口外禁止の「騙し、騙されの世界」』で今回、被害者たちに「精神的ダメージ」を与えた日本宗教連盟の言葉を誌面に掲載するとともに、彼らに対する切実な要望を記しています。

全国の旧統一教会の被害者らに強烈な一撃を与えた「日本宗教連盟」の言葉

安倍派の政治資金パーティをめぐって、ノルマを超えて販売した分に関してのキックバックがあり、大きな問題になっています。

政治資金規正法では、同じ人物や団体から20万円を超える支払いがあった時には、政治資金収支報告書に名前や金額を記載しなければなりませんが、それをしていなかった問題が浮上しています。裏金として使われていた疑いもあるという報道もあります。

業界団体などが一口2万円のパーティ券を何枚も買うことがあるということです。このニュースを目にしながら、安倍派の多くの議員が旧統一教会と関連が深いことがわかっていますので、旧統一教会には数多くの信者らで構成された関連団体があります。そうした団体を通じて、信者らの献金がパーティ券の購入に充てられて、キックバックの形で議員らに回っていなかったのも、非常に気になるところです。

1.否決された包括的財産保全法案。遠のく被害者救済の道

旧統一教会が裁判所からの解散命令を受けるまでの間に、財産を散逸する可能性があり、そうなると被害者への返金がなされないことになります。

それを防ぐための手立てとして、与党からは、法テラスの充実をはかるなどの形での救済法案が出され、立憲・維新の会からは包括的財産保全法案が提出されました。

被害者の多くは野党案の成立を望んでいましたが、残念なことに衆議院で与党の反対により否決されて、自民、公明、国民民主の与党の救済法のみが可決されました。そして12月13日に参議院にて可決、成立しました。

与党法案には被害救済にとって必要なものであり、法律が施行されることはよかったですが、財産保全法案が否決されることにより、被害者救済の道は遠のいたといえます。

2.野党法案否決の要因となった公益財団法人日本宗教連盟の言葉

審議のなかで、信教の自由への懸念があるとして、たびたび与党の議員らが取り上げたのが、公益財団法人日本宗教連盟の次の言葉です。野党法案が否決された要因の一つになっています。

「信教の自由を含めた精神的自由は、最大限保障される権利であるとされています。そのような精神的自由に何ら配慮することなく、会社法の保全の規定を宗教法人に乱暴に当てはめることはあってはならず、また利害関係人の解散命令請求を受けた利害関係人による保全申立てを認めることは、濫訴による混乱も招きかねないと危惧します」(公益財団法人日本宗教連盟11月22日)

この言葉は野党法案における被害救済に、そして被害者らに強烈な一撃を与えたことは間違いありません。

この野党法案は、多くの旧統一教会による被害者への聞き取りをして、その願いから出たものです。それに携わってきた、被害者を救いたいと願う弁護士の思いも込められています。

この声明による一撃を、今も被害に苦しむ旧統一教会の被害者(1世、2世)たちは、一生忘れないと思います。

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