安倍晋三という“拠り所”を失ったネトウヨが分断&狂乱…まるで「主人を失った家畜」

 

ほとんどが百田尚樹とその関係者の絡んだネトウヨの紛争

「Hanada」公式SNSによれば、日本保守党の記事を紹介すると、編集部に誹謗中傷が押し寄せるらしい。ここ最近の自称保守界隈は、あちこちで人間関係がこじれて、誹謗中傷合戦が頻発しているのだが、ほとんどが百田尚樹とその関係者の絡んだ紛争なのだ。

今号では、編集部だけでなく、日本保守党の応援企画に寄稿した自民党の長尾たかし(前衆院議員)が炎上。Youtubeで弁解する事態にまでなった。

※ 自身のYoutubeライブで炎上について語る長尾たかし

長尾は、「旧宮家筋、男系男子を遡り『血』を最優先」と発言し、「男の血」にこだわっているゴリゴリのネトウヨだ。

衆院議員時代の2015年には、沖縄の新基地建設に反対する市民運動を「反社会的」と書いたほか、自民党若手議員の勉強会の席で、百田尚樹が「沖縄の2つの新聞社は潰さなアカン」と発言したことに同調し、「沖縄の歪んだ世論を正しい方向に持っていくためには、どのようなアクションを起こすか。左翼勢力に完全に乗っ取られている中、大事な論点だ」と発言。

墜落事故を懸念して反対運動が起きていたオスプレイについては、「オスプレイ反対運動の背景には、中国共産党が見え隠れします」とネトウヨ的妄想を全開にしたデマを飛ばしまくってきた。

また、伊藤詩織さんレイプ事件の際には、伊藤さんを「枕営業」と揶揄するイラストを描いて誹謗中傷したイラストレーターのはすみとしこ、その友達の千葉麗子、花田紀凱らとともに杉田水脈議員のネット番組に出演し(あまりに絶望的な顔ぶれ……)、一緒になって伊藤さんを笑い者にするという品性下劣な面を見せていたのを記憶している。

もともと安倍チルドレンで、百田を慕っていた極右ネトウヨなのだから、今は議員でもないし、日本保守党にエールを送るのも不思議ではない。しかし、「Hanada」への寄稿が原因で、自民党支持のネトウヨたちから「裏切り者」扱いされて炎上したらしい。

大した影響力もないのに、なぜそこまで?

……と思ったら、原因は百田尚樹だった。

極右ネトウヨ議員の代表格で、男系カルト「日本の尊厳と国益を護る会」を主催する青山繁晴議員に対して、百田がネット上で「クズ」呼ばわりしたことがあるらしい。その青山に、「次の選挙では応援する」と可愛がられているのが、長尾たかしなのだそうだ。

青山は、“ネトウヨの尊師”と呼ばれる反共陰謀論系トンデモ議員である。

沖縄に対して「沖縄の県知事候補を決めているのは中国共産党」「翁長知事は中国共産党から『初代琉球王になれる』と確約されていた」などぶっ飛び級のデマを吹聴してきたし、安倍晋三の死後は、街頭演説で「安倍さんの魂が僕の体に入ってきた」「背中に安倍さんが来て、僕の右側に回って、目があって、ものすごい勢いで斜め上にピューッと飛んで行かれた」と語るなど、スピった面も見せている。

ネトウヨたちの声

せっかく青山繁晴議員が応援すると言っているのに、青山氏を誹謗中傷している党首がいる政党にエールを送るとは。配慮がないのもほどがある。青山支持者の票が必要なのに青山支持者を敵に回したのではないか?

単なる他政党の党首じゃないんですよね、百田氏は。繰り返し青山議員に関するデマを吹聴し、挙句の果てに「人間のクズ」呼ばわり。

もうまともなヒトは長尾さんには近づかないでしょうね。

なるほど!まともなヒトは青山繁晴に近づかないと思うが、長尾を叩いているのは、青山繁晴推しの極右ネトウヨたちで、ネトウヨ界にも安倍派と石破派ぐらい溝のある派閥が存在するということだ。

ネトウヨ作家がネトウヨ議員をいかにもネトウヨらしく「クズ」呼ばわりし、「クズ」呼ばわりされたネトウヨ議員の可愛がっているネトウヨが、ネトウヨ作家にすり寄ったので、ネトウヨたちが「このクズめー!」と憎悪しているという構図だが、私から見ると、百田も青山も同じようなものにしか見えない……。

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