大部分の日本国民はこのことを知らないので、「安倍さんは、プーチンと仲よくしたが、結局北方領土を取り戻すことはできなかった」と批判します。しかし、プーチンには「そもそも返す気がない」のですから、誰がやっても同じです。
民主党の鳩山さん、菅さん、野田さんは、領土問題を一歩でも前進させることができましたか?できるはずありません。むこうに返す気が全然ないのですから。
しかし、安倍さんは、日ロ関係を改善させることで、中国の「反日統一共同戦線戦略」を「無力化」することには成功しました。
このこと、日本人は知りませんが、中国政府は知っています。それで、プーチンが2016年12月に訪日したとき、焦ったのです。『時事通信』2016年12月16日付。
中国国営新華社通信は日ロ会談に関する論評で「安倍首相はロシアを抱き込み、中国に対する包囲網を強化したい考えだが、中ロ関係の土台を揺るがすのは難しく、もくろみは期待外れとなる」と反発。その上で「(安倍氏の)私益だけを求めた自分勝手な外交思考は、日本が隣国からの信頼を得ることを間違いなく困難にする。ただの一方的な妄想だ」と批判した。
そう、安倍総理は、中国の「反日統一共同戦線」を破壊し、逆にロシアを「反中包囲網」に引き入れたかった。繰り返しますが、日本人はこのことを知らず、中国政府は知っていました。
今、日ロ関係は最悪になっています。ですが、安倍さんは、成功したのです。なぜでしょうか?
中国が「反日統一共同戦線戦略」をオファーした2012年11月から2018年10月までは、大げさでなく、「日中戦争時代だった」と言えるでしょう。もちろん、戦闘ではなく、情報戦、外交戦、経済戦などがメインだったわけですが。
安倍さんは、この戦争に勝利したのです。なぜ?2018年10月のペンス演説から、「米中覇権戦争」がはじまったからです。日中戦争は、米中戦争に転化した。そして、今も「米中覇権戦争」の時代が続いています。









