なぜ、この本は「好きなことを仕事にするな」と説いて絶賛されるのか?

 

さっそく本文のなかから、気になった部分を赤ペンチェックしてみましょう。

どのようにしてお金を稼いでいるかは、僕たちが何者であるかを簡潔に説明する手段になっている

ワーキズムは、お金と精神の充足という2つの異なるものを仕事に求める思想だ。この2つの方向性は必ずしも一致するものではない。それでも人々はどちらも満たしてくれることを仕事に求めるようになっている

過去を振り返ると、富と労働時間は反比例するものだった。裕福であればあるほど働く時間は短くなった。当然、お金があれば働かなくて済むからだ。ところが、過去50年における労働時間の増加の大部分を担っているのは高所得層である。つまり、さほど働く必要がない人たちがそれまで以上に働いているのだ

低所得者や非大卒の人たちよりも裕福で教育を受けた人の方が約2倍の割合で、やりがいのある活動に「仕事」を挙げる。理由はいろいろ考えられるが、高所得層は信仰など、生活にいきがいを見出せる他の活動が少ないことがひとつの要因だ

投資家が投資先を多様に分散させることで利益を得るのと同じように、人もまたアイデンティティややりがいを感じる活動を多様に広げることから恩恵を得る

さまざまなアイデンティティを育むと誰しも人生の困難を乗り越えやすくなる

自分の考えが周りの社会的規範と合わない時、人は声を上げるのではなく口を閉じる傾向にある

人々の「好きな仕事」を提供する職場では、劣悪な環境が見直されず放置されがち

「私のように、『私は○○である』というアイデンティティを一瞬のうちに失うと、前に進むのが怖くなる」とリズは語る。しかし彼女は諦めなかった。インターネットで、自分の存在を疾患に定義されることを否定する障害者のコミュニティを見つけた。そこでリズは生産性とは違うものに紐づく新しい「私は○○である」というアイデンティティを確立する方法を知る

週4日労働制で人は生き生きする

個人としても社会としても足りないのは、仕事を人生の主役にしない生き方がどのようなものかを想像する力だ

著者が提案する、「仕事を人生の主役にしない生き方」。

長寿化が進み、誰もが方向転換の度にアイデンティティの危機に直面する社会で、われわれは今後、この答えを見つけ出すことができるのでしょうか。

働き方から入り、生き方全般を考えさせる内容でした。

生き方のヒントとして、ぜひ、読んでみてください。

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Amazon.co.j立ち上げに参画した元バイヤー、元読売新聞コラムニスト、元B11「ベストセラーBookV」レギュラーコメンテーター、元ラジオNIKKEIレギュラー。現在は、ビジネス書評家、著者、講演家、コンサルタントとして活動中の土井英司が、旬のビジネス書の儲かる「読みどころ」をピンポイント紹介。毎日発行、開始から既に4000号を超える殿堂入りメルマガです。テーマ:「出版/自分ブランド/独立・起業」

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【著者】 土井英司 【発行周期】 日刊

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