『ジョジョ』の荒木飛呂彦はどうやって取材してマンガを創作しているのか?

 

さっそく本文のなかから、気になった部分を赤ペンチェックしてみましょう。

荒木の取材の基本は人々の行動を「よく見る」こと。若者の服の着こなし方などもよく見ていたという(さらに「見たことをすごく覚えている」のだという)

<観察しろというのは……/見るんじゃあなくて観ることだ…/聞くんじゃあなく聴くことだ>(空条承太郎のセリフ)

荒木は、全体像をおさえつつも細部を撮ることが多い。例えばフェンスなら、網目はどう編まれているのか、ボルトはどう止まっているのか、など細かな部分を撮影していくのだ

<今はネットでなんでも見られると多くの人が思っているかもしれませんが、例えばパトカーのデザインやポストの形、郵便配達人の服装、トイレがどうなっているかなど、自分の目で見ないとわからないこともたくさんあるのです>(『荒木飛呂彦の漫画術』より)

土地に愛着を持つ

レストランなど食事の場所に、荒木は取材中に着ていた短パンからきちんとした服装に着替えてから出向くのだという。「お店への敬意を感じました」と編集者が言うように、荒木飛呂彦の人間性が感じられる

編集者が「この漫画、なんか足りないんだよね」と言うときは、90%以上の確率で「悪役が立っていない」

主人公と悪役は必ずセットで作る

キャラクターを作るときは、まず履歴書を参考に作成したオリジナルの「身上調査書」を書いて、そのキャラクターの輪郭を浮かび上がらせていきます

ビジュアル、育った家庭環境、性格など、身上調査書の項目を対照的にし、ふたりの「光」と「影」を強くした

主人公対悪役の戦いがおもしろくなるためには、「主人公はこいつに勝てないんじゃないか?」と、読者に思われるくらい、悪役は強くなければいけません

悪役には「哲学」が必要

漫画の「基本四大構造」
「キャラクター」
「ストーリー」
「世界観」
「テーマ」

世界観のある作品がどうやって生まれるのか、知りたくて読んだ本ですが、買って本当に良かったと思います。

創作で考慮すべき点や、作品鑑賞の視点がわかる、貴重な読み物だと思います。

ぜひ、読んでみてください。

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Amazon.co.j立ち上げに参画した元バイヤー、元読売新聞コラムニスト、元B11「ベストセラーBookV」レギュラーコメンテーター、元ラジオNIKKEIレギュラー。現在は、ビジネス書評家、著者、講演家、コンサルタントとして活動中の土井英司が、旬のビジネス書の儲かる「読みどころ」をピンポイント紹介。毎日発行、開始から既に4000号を超える殿堂入りメルマガです。テーマ:「出版/自分ブランド/独立・起業」

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【著者】 土井英司 【発行周期】 日刊

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